俳句の「五・七・五」は意味のある区切り
次は、こうした区切りを意識することで、記憶力がアップする例を紹介したいと思います。■覚えにくい
31967606
645136947
このような場合は、一つのまとまりが4~5くらいになるように区切りをつけるだけで覚えることが簡単になります。
■覚えやすい
3196/7606
6451/36947
これを工夫して、私は円周率を約40桁まで覚えています。
3.141592/6535/8979/3238/4626/4338/3279/5028/8419
あるいは桁数の多い数字でも、意味のあるまとまりを見つけると簡単に覚えられます。例えばこの数字はどうでしょうか。
■覚えにくい
796355258432
79411921603
■覚えやすい
7963/5525/8432
794/1192/1603
一つ目は、7×9=63、5×5=25、8×4=32と九九に出てくる数字をわざと羅列したものです。次は、平安京遷都の年、源頼朝が征夷大将軍任じられた年、徳川家康が江戸幕府を開いた年を羅列したものです。
桁数の多い数字でも、このような意味のあるまとまりを見つけられれば簡単に覚えることができます。ちなみに、このまとまりのことを、「チャンク」と言います。俳句が五・七・五の区切りなのも、いわばチャンクとしての働きがあるからです。
チャンクは英単語を覚えるのにも役立つ
チャンクを利用することは、英単語を覚えるのにも役立ちます。例えば、「incredible」という英単語は、「in」と「credi」「-ble」に分けられます。「in」は「~でない(not)」と同じ意味で、「credi」は「credit(信用)」、「ble」は「able(~できる)」という意味です。だから、「incredible」は「信じられない」という意味になります。「in」のような接頭語(辞)や「-ble」のような接尾語(辞)、語源で覚える英単語は、チャンクという視点からも効果があるので試してみましょう。
チャンクを利用すれば漢字も覚えられる
今度は、意味のあるまとまりにまとめるのではなく、分解してむしろ意味のあるまとまりを作る方法です。「井伊直弼(いいなおすけ)」の「弼」という、難しくて覚えづらいですよね。そこでチャンクを利用して、「弼」という漢字を「弓+百+弓」と勝手に分解してしまいます。「いいなおすけ、弓を百こかって、また弓をかう」という語呂合わせを作っても良いでしょう(実際に弓の収集家だったわけではありませんよ)。同じように、「窓」は「ウかんむりにハム心」、「挨拶」は「むやくた」と、チャンクを利用して語呂合わせを作ります。憂鬱の「鬱(うつ)」という漢字は、「リンカーンは、アメリカンコーヒーを3杯飲む」という有名な語呂合わせもあるほどです。
■「鬱」の字の覚え方の解説
リン=林
カーン=缶
は=ワ
アメリカン=米のような字
コーヒー=コをタテにした字(うけばこ)の中にヒのような字
3杯=ノが3つ(さんづくり)
このように、一見、難しい漢字でも、分解して意味のあるまとまりを作ることで、返って覚えやすくなるという例もあります。
理科や社会の勉強、漢字検定などの資格検定試験の中にも、難しくて覚えられない漢字や英単語が出てくる場合があります。このような場合は、チャンクを上手く利用して覚えるようにすると効果的です。
最後に、「元寇」の「寇」の字を、チャンクを利用して覚えるにはどうしたらよいでしょうか。早速、試してみて下さい。
■関連記事「まる書いて覚える!つがわ式丸付け暗記法」
チャンクを上手く利用して「薔薇」という字の覚え方を解説した記事もあるので、参考にしてみて下さい。