マジカルナンバー7(プラスマイナス2)と人の記憶

「三大~」「四天王」「七福神」といった、数字の入った呼称があります。また四字熟語の中にも、数字が入ったものがいくつかあります。「二束三文」「三日坊主」「三寒四温」「五臓六腑」など。これらの数字は、具体的な数を指している場合もあれば、少ないという意味で使われている場合もあります。

その一方で、こんな四字熟語もあります。「八方美人」「四苦八苦」「十中八九」「七転八起」などです。「八方美人」は、「誰に対しても、悪く思われないように振る舞うこと」ですね。「四苦八苦」は、「あらゆる苦しみ」を意味し、「七転八起(しちてんはっき)」は、「何度もの失敗にめげず、そのたびに奮起して立ち直ること」を意味します。他にも、江戸時代、市中に町がたくさんあることを「八百八町(はっぴゃくやちょう)」と言いました。

このように「八」の場合は、具体的な数を指すよりも、たくさんという意味で使われることが多いようです。この違いは偶然なのでしょうか。

次の画像を見てください。青い丸がいくつか描かれています。AとB、それぞれ何個の青丸があるか数えてみて下さい。
人は7つを超えるものは、指さししないと数えられない。

人は7つを超えるものは、指さししないと数えられない。

正解は、Aが3つで、Bが9つです。Aの方は見ただけで3つと答えられたと思います。ところが、Bの方は、「いち、にい、さん……」と、数えた人が大半だと思います。この境目はどこにあるのかというと、だいたい7つ前後ということになります。これこそがマジカルナンバー7(プラスマイナス2)の秘密なのです。

電話番号はなぜ区切ってあるのか?

さて、7より多くなるととたんに把握するのが難しくなるという、この人間の脳の困った特徴は、何かを覚えるときに妨げとなります。しかし、こうした特徴があるということを知っていれば、7より少なくなるように工夫してあげれば覚えられるという対策を考えることが可能になります。

次の画像を見てください。先ほどのBの青丸の表示の仕方を、ちょっとだけ工夫してみました。
7より多いものでも、工夫すると見ただけで数えられる。

7より多いものでも、工夫すると見ただけで数えられる。


これなら、わざわざ目で追ったり、指で数えたりしなくても、いくつあるかが一目瞭然ですね。

同じように、この人間の特徴を知った上で工夫されているのが、電話番号の区切りです。例えば、携帯電話は「○○○-○○○○-○○○○」と区切るのが一般的です。固定電話の番号も、市外局番、局番、そして番号と区切ってあり、一つの区切りが多くても5桁と、7より少なくなるように工夫してあります。

俳句が五・七・五の構成なのも、やはり理由があってのことなのです。余談ですが、戦隊モノのメンバーの数が5人なのはなぜなのでしょうか。それは、たぶん8人も9人もいたら、小さい子どもが覚えられないからでしょう。

次のページでは、「鬱」の字の覚え方を例に説明します。