タブレットPC/おすすめタブレット・電子書籍端末レビュー

それでも、私が国産のタブレットを使うワケ(2ページ目)

ソニーが、かつての輝きを取り戻しつつあります。たとえば、VAIO Tap 11やVAIO Fitは、意匠からしても「ソニーだからこそ」が凝縮されている製品です。スマホやタブレットもしかりで、最近のXperiaシリーズは、星の数ほどあるAndroidの中で、他にはない輝きを見せています。どのあたりが「だからこそ」なのか? 国内外のメーカーは、同じことができないのか? このあたりを、端末の魅力に触れながら検証していきます。

傍島 康雄

執筆者:傍島 康雄

タブレットPCガイド

融合しあうハードとソフト

Xperia Z Ultraには、「トリルミナスディスプレイ」、「X-Reality for mobile」、「ClearAudio+」のソニー独自の技術が搭載されています。

トリルミナスディスプレイは、 広色域の再現が可能なディスプレイで、写真やムービーを色彩豊かに再現します。 X-Reality for mobileは、メリハリのある色合いで引き締まった映像を映し出します。また、動画を再生するとブレた感じの少ない映像が観られます。ClearAudio+は、端末に搭載されたスピーカーでも聞き取りやすい音に調整します。

実はAndroid端末の多くは、コンピュータメーカーが製造しており、AVに関するノウハウを持っていません。これに特化した独自技術を端末に組み込めるメーカーであるソニーは、希有な存在なのです。

また素性の良いハードだけではなく、これを活かす秀逸なソフトが必要です。

たとえば、Xperia Z Ultraのカメラアプリは、コンパクトデジタルカメラ並にマニュアル操作ができます。スマホやタブレットには、高性能なイメージセンサーが搭載され、コンパクトデジタルカメラ並の写真が手軽に撮影できるようになりました。しかし、カメラアプリは簡素なものが多く、もう一歩踏み込もうとすると不満に感じる端末が多いです。

Xperia Z Ultraのカメラアプリは、ホワイトバランスやISO感度などのマニュアル調整機能が搭載されており、ソニーが持つデジカメのノウハウが活かされたつくりです。また、カメラアプリに新たな機能を追加できるプラグイン的な仕組みもXperia Z Ultraならでは。ほかにも、撮影した写真をPlayMemoriesを即座にアップロードできる機能を備えており、PCとの連携もスマートにこなせます。撮影した写真は、6.44インチのトリルミナスディスプレイが美しく映し出します。
カメラアプリで、ホワイトバランスを調整している様子

カメラアプリで、ホワイトバランスを調整している様子。

カメラアプリは、撮影シーンを選択することも可能

カメラアプリは、撮影シーンを選択することも可能。

加えて、ムービーアプリは、ホームサーバーに保存されている映像やVideo Unlimitedの作品などを一元管理できるところも見逃せません。ここでも、トリルミナスディスプレイが効果を発揮します。また、高画質処理エンジン「X-Reality for mobile」のおかげで、メリハリの効いた映像が楽しめる上に、ClearAudio+が端末のスピーカー特性にあった音を再生してくれます。

このように、Xperia Z Ultraはハードがソフトの血となり肉となることでつくり上げられている印象の端末です。ハードとソフトをバランス良く融合させて丁寧につくり込み、スペックを向上させる以外の方法でも差別化要因を持てるのは、国内外のメーカーでも多くないはずです。

次のページでは、デザインの魅力に迫ります。
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