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2014年は、マンション『まだ買い時』説の真偽(2ページ目)

新築マンション、中古マンションともに大きく価格が上昇した2013年。2014年のマンション市場は、どんな1年になるのでしょうか。4月には、消費税率が8%にアップします。2014年のマンション市場を踏まえ『まだ買い時』かもしれない理由を紹介します。

岡本 郁雄

執筆者:岡本 郁雄

マンショントレンド情報ガイド

 

前回のプチバブルと明らかに異なる人口構成
価格の上昇は春先までは限定的 供給戸数は横ばい

家の買い時は、購入環境から見た買い時と、自分や家族から見た買い時があります。もし皆さんが今90歳だとしたら、「今は買い時ではないから4、5年待とう」なんて思わないでしょう。家族や自分にとって、「今マンションが必要だ」と思ったら、それは一つの買い時だと言えるでしょう。家族にとって家が必要なタイミングかどうかは、よく検討して購入を判断しましょう。

2014年は、購入環境としてはどうでしょうか?まず価格動向ですが、短期的に急激に価格が上昇することはないと思います。新価格といったワードも流れた前回のプチバブル時(2007年前後)は、人口トレンドも都市部では増加傾向で、かつ新築需要の高い30代人口も団塊ジュニアの購入適齢期で増加トレンドでした(東京都の30代後半の人口は、2005年1,039千人、2010年1,147千人:出典 国立社会保障・人口問題研究所)。この人口トレンドは、今後減少に転じます。(2015年1,011千人、2020年901千人:出典 国立社会保障・人口問題研究所)。

2007年前後のプチバブル時は、団塊ジュニアの住宅購入適齢期といった需要面での背景がありました。30代人口が減少に転じている埼玉県、千葉県の供給激戦エリアで苦戦物件が目立つもの当然と言えます(千葉県は平成23年から総人口がわずかながら減少している)。インフレによって不動産価格が上昇する可能性はありますが、どのエリアも一本調子で価格が上昇することは考えにくいでしょう。インフレ傾向が鮮明になっていない今ならば価格の上昇は限定的と考えるのが妥当です。少なくとも新築マンションに限れば上半期は、価格面での買いやすさは2013年と大きく変わらないのではないでしょうか。
工事中の晴海エリアの街区

2014年は、東京湾岸エリアの新築マンション供給が活発化しそうだ

また、供給戸数は堅調な売れ行きを背景に2014年も昨年の同水準を維持しそうです。消費税の上がる4月以降売れ行きが鈍化すれば、選びやすくなるでしょう。中でも郊外エリアや東京湾岸エリアは、変わらず活発な供給が続くため比較検討しながらマンションを選ぶことができそうです。

一方、フラッグシップ物件の供給が相次いだ都心エリアは、やや供給が落ち着きそうです。2014年は、実需ファミリー層向けのマンションを見つけやすい1年になりそうです。

中古マンションは、エリアによって買いやすさが変わりそうです。新築分譲マンションの供給の続く東京湾岸エリアは、比較的選びやすい環境が続くのではないでしょうか。
 

消費税のアップ分はローン控除の拡充で負担減
住みたいマンションに出会ったときが買い時

2014年のマンション購入環境を整理してみましょう。まず価格面ですが、消費税が4月に8%にアップし建物価格2,000万円のマンションなら60万円アップします。一方、住宅ローン控除の拡充がはかられ、年収などの一定の要件を満たす人には、ローン控除額の最大値が年20万円から40万円に拡充されます。年収が1,000万円を超えるような高年収の方は、所得税・住民税の負担も大きいため借り入れが大きければローン控除の拡充の恩恵を受けることが可能です。また、収入が一定以下の方には、すまい給付金が給付されるなどの施策もとられています。住宅ローン控除の要件を満たす住宅をある程度の融資を使って購入するケースであれば、2014年の方が不利とも言い切れません。消費税8%時の方が得な場合もあるでしょう。税制や施策面では、2014年の方がメリットが大きい場合もあります。

金利動向は、どうでしょうか。日本銀行の大胆な金融緩和によって、今のところ長期金利も低水準で推移しています。デフレ脱却に成功するのであれば、将来的に金利は上向くでしょう。金利が将来上昇すると考えると、金利水準が低いうちに返済した方が総返済額が抑えられることは言うまでもありません。価格動向や供給動向、金利水準や施策面を考えると、2014年は「まだ買い時」と言えるかもしれません。

また、自分の希望に合ったマンションに出会えるかどうかも重要です。いくら買い時でも、この物件ならと思えるマンションに出会えなければ、マンション購入できません。既に、真剣にマンションを探されている方なら経験済みだと思いますとこれだけ新築マンションの供給や中古マンションの流通があるのに、これだと思えるマンションには、なかなか出会えないものです。東京圏の世帯数は、約1,585万世帯(平成23年 総務省 住民基本台帳)。新築マンションの供給戸数が首都圏で、5万戸台であることを考えると、理想の新築マンションに出会う確率はもともと少ないのです。

希望のマンションに出会うためには、まず自分や家族にとっての条件を整理することからはじめましょう。情報誌やインターネットなどマンションの情報は様々なところから入手できます。まずは、情報を入手しつつ自分のモノサシを持つことが重要だと思います。

価格動向や消費税、インフレになるのかならないのかなどマンションを購入する際に気になるポイントは多々ありますが、住みたいと思えるマンションを見つけることが、大切だと思います。『思い立ったら今日が吉日』。まずは、マンション探しからはじめてはいかがでしょうか。

 
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