ヘルシンキからタリンへは、エンタメ性に富んだ高速フェリーで快適移動
ヘルシンキとタリンの間を行き交うフェリーは、所要時間は1時間30分からとさほど長くないものの、まさに動くアミューズメント施設。バーやダンスフロア、免税店もあり、旅行客は道中もめいっぱい楽しむ
ヘルシンキとタリンを隔てているのは、バルト海の大海原。けれど、高速フェリーを使えば最速1時間30分で渡ることができます。フェリーの運行会社は複数あり、スケジュールや発着ターミナル、値段、所要時間なども会社や時期によって大きく変動するので、片道ごとに各社を比較して選ぶとよいでしょう。早朝便と夕方便を組み合わせれば、日帰り旅行も十分可能になりますよ。
ヘルシンキからタリンへの出発ターミナルは、マーケット広場から徒歩約10分のカタヤノッカ・ターミナル(Katajanokka)か、おなじくマーケット広場からカタヤノッカと反対方向に徒歩約10分のマカシーニ・ターミナル(Makasiiniterminaali)、あるいはトラム9番の通る西ターミナル(Länsiterminaali)と、運行会社によって大きく異なるので注意してください。
エッケルラインの船体
ヘルシンキ・タリン間を運航する代表的なクルーズ船会社
■ヘルシンキ・タリン間の運航船の
総合日本語予約サイト
船内の陽気で華やかなムードに呑まれているうちに、あっという間に港に到着。デッキからのバルト海の眺めも堪能したい
それぞれの船内はアミューズメント施設さながら! 時間帯によって朝食やランチを出すレストランが入っているのはもちろんのこと、バーやダンスフロアなども収まっていて、その陽気なムードを楽しんでいるうちにあっという間に着港してしまいます。ただし、とくに帰り便の船内では、気を大きくして酩酊状態になった客もよく見られるので、トラブルに巻き込まれないように注意。 船はどこも人であふれているので、貴重品の管理にも気を配りましょう。
また追加料金を支払えば、ホテルの客室のようなベッド付きレストルームを利用できる船舶もあります。
出入国は驚くほどスムーズ。船内には免税ショップも
フィンランド人旅行客は、相対的に物価の安いタリンや船内の免税店で、酒を箱買いしていくのが恒例。帰りの船内では、免税店にキャリーケースを持った客が殺到する
ヘルシンキからタリンへは国をまたぐものの、その出入国手続きは驚くほどスムーズです。チケット発券時にパスポートの提示を求められることがありますが、あとはこれといった出入国審査もなく、チケットさえ入手できればあっという間に船内に乗り込むことができます。ターミナルへはチケットの予約証明書(満席でなければ当日券も購入可)とパスポートを持っていくのをお忘れずに。ターミナルが混雑していることを考えても、1時間30分前に港に到着していれば十分ゆとりをもって入船できるはずですが、通常出港30分前に設定された最終乗り込み時間に遅れてしまうと、飛行機とは違って融通が聞かず、船がまだ出港していなくても乗り込みをさせてもらえません。くれぐれも港への到着時間にはご注意ください。飛行機のように大きな荷物も、基本的に手荷物として自身で船に持ち込み管理します(船内に有料のコインロッカーあり)。
エストニアの通貨はフィンランドと同じユーロなので、両替の必要はありません。相対的には、フィンランドよりエストニアのほうが物価が安いといえます。このため、フィンランド人旅行客はタリン市内や船内の免税店でお酒などを大量購入していくのが恒例化しています。帰りの船内の免税店は特に混雑しやすいのでご注意を。
タリン港から旧市街の入り口へは、徒歩約10分
城壁に囲まれた旧市街は、ところどころに内部に通じる門が開かれている
タリンに入港したフェリーは、リンダラインのみ中心街から少しだけ離れたリンナハッリ・ターミナル(Linnahallin Terminaali)に、後の運行会社の船はすべて同じメインターミナルに着港します(ターミナル名はアルファベット表記されているので、到着時に復路の出発ターミナルの確認を忘れずに)。メイン港からは、トラム1,2番あるいは市バス3番が旧市街入り口まで運行していますが、実は徒歩でもさほど遠くはなく、西方向(旧市街の建物群は港からよく見えています)に10分ほど歩けば、北門にあたるスール・ランナ門(Suur Rannavärav)に到着します。リンナハッリ・ターミナルの辺りからも旧市街はすでに見えており、徒歩約15分でスール・ランナ門まで行けます。一番大きく開かれた、賑やかな玄関口の門は、スール・ランナ門からさらに城壁伝いに南下したところにあるヴィル門(Viruvärav)です。タクシーはフェリーの到着ゲートを出たところに乗り場があり、5分ほどで旧市街の入り口まで運んでくれます。