バレエ/大人のためのバレエ

大人バレリーナのための効果的なウォーミング・アップ

有名なバレエ教師であるアグリッピナ・ワガノワは、夏のウォーミング・アップは不要と述べています。気温が高いと筋肉が動きやすいので、アップは不要ということですね。さて、今は冬真っ只中。冬のウォーミング・アップはどのようにすればいいのでしょうか? プロが行っているアップの仕方も交えながらお話させていただきます。

執筆者:石島 みどり

バレエのレッスン前にウォーミング・アップをすると、身体はより動きやすくなると言われています。ここで思い浮かぶのは、やはり 「ストレッチ」 ではないかと思います。この 「ストレッチ」 には2種類あるのをご存知でしょうか? 「静的ストレッチ」 と 「動的ストレッチ」。これらをうまく使い分けないと、上達の妨げにもなります。2種類の 「ストレッチ」 の特徴を知り、レッスン前に正しいウォーミング・アップを行いましょう。さらに、プロのダンサーが行うウォーミング・アップの仕方もお教えしたいと思います。


1. 静的ストレッチ

「静的ストレッチ」 は筋肉を伸ばすことに重点が置かれたストレッチです。ヨガマッ
正しいストレッチは上達を助けます。今一度見直してみてください。

正しいストレッチは上達を助けます。今一度見直してみてください。

トなどを利用して行われているストレッチが、この 「静的ストレッチ」 の代表ではないでしょうか? 反動をつけずにゆっくりと呼吸を伴いながら筋肉を伸ばします。ストレッチしているときに心地よい痛みあるいは伸び感が走ります。強くストレッチすると不快な痛みに変わりますので、そうならない程度に留めておく必要があります。

筋肉が伸ばされるので、筋肉の柔軟性が得られるのがこのストレッチの特徴です。また、呼吸を伴いながらゆっくり伸ばすので、身体がリラックスできます。なんだか良いこと尽くめのようではありますが、半面、筋力を低下させてしまうというデメリットもあります。そのため、力を必要とするステップのときに筋肉がうまく作用しないということが起こります。

「静的ストレッチ」 は、ウォーミング・アップよりも、筋肉の疲労を取り除くためのクール・ダウンに適したストレッチと言えます。


2. 動的ストレッチ

「静的ストレッチ」 は反動をつけずにストレッチを行いましたが、「動的ストレッチ」 は軽く反動をつけてストレッチを行います。「動的ストレッチ」 では、関節を繰り返し動かし、バレエに必要な可動域を広げます。筋肉の伸張と収縮を繰り返すことで、全身の血行がよくなり、身体が温まります。身体が温まることで、柔軟性もアップします。
正しく行った場合 「動的ストレッチ」 のデメリットは、バレエにおいては見当たりませんね。

「動的ストレッチ」 の
  • 腿上げ歩き
  • 腿上げスキップ
  • 横歩き
など。サッカー選手などがジョギングしながら行っているようなエクササイズですね。


3. プロのウォーミング・アップ

プロダンサーは、舞台前のウォーミング・アップにジョギングをすることが多いようです。足裏をしっかり伸ばしながら、腿を軽く上げてジョギングしています。呼吸を伴いながら行っていますので、本当に軽いジョギングです。心拍数を上げて体温を上げることを目的としているようです。

身体が温まれば、動きやすくなりますね。一度、普段のストレッチの代わりに行ってみてください。レッスンでの身体の動かしやすさがどう違うか比較してみてください。きっとよい驚きが待っていると思います。

どのストレッチをどのように行うかはバレエの上達を左右する問題だとも言えます。お勧めするストレッチの行い方は、レッスン前には 「動的ストレッチ」、レッスン後には 「静的ストレッチ」。このように行えば、レッスン中に適した筋肉の動きを得ることが出来、レッスン後に筋肉の疲労を取ることが出来ます。

レッスンの前後に適したストレッチをすることで、上達のスピードアップも期待できます。レッスンのための正しいウィーミングアップで、動かしやすい身体をぜひ手に入れてください。
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