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『ブリングリング』とソフィア・コッポラの世界

セレブの豪邸で金品を盗んだティーン窃盗団の実話を映画化した『ブリングリング』は今だからこそ起こったことであり、映画化できた素材でしょう。その『ブリングリング』を筆頭に、『ヴァージン・スーサイズ』『マリー・アントワネット』などのソフィア・コッポラ監督の世界を覗いてみましょう。

斎藤 香

執筆者:斎藤 香

映画ガイド

ソフィア・コッポラは寡作な映画監督ですが、新作が公開されるとオシャレに敏感な女子たちが飛びつく人気監督でもあります。フランシス・フォード・コッポラ監督の娘ゆえに、映画業界では「親の七光りで映画撮っている」とか「お嬢様のお遊び」的な言われ方もしていますが、本人も父親のおかげで映画が撮れることは重々承知。でも七光りを利用して、ちゃんとソフィア・コッポラの世界を映画界で確立したのだから、それはそれでアッパレではないかと思うんですけどね。
というわけで、今回はソフィア・コッポラの世界を監督作『ブリングリング』を筆頭に見て行こうと思います。

セレブ豪邸窃盗犯のティーンを描いた実話の映画化


『ブリングリング』(2013年度作品)

『ブリングリング』

ティーン窃盗団の実話の映画化

ティーンの少年少女たちがハリウッドセレブの豪邸から金品を盗むという実際にあった事件をベースにソフィア・コッポラが作り上げた苦み走った青春映画です。

セレブリティに憧れている少女たちが、彼女たちの生活をのぞき見したいという願望から、留守宅に入り込み、衣類やアクセサリーを盗み、身に着け、フェイスブックにアップ! しかし、それは世間に知られることになり……という物語は、まさに2013年という時代を切り取ったよう。
SNSの普及で、普通の人が自分を世の中にアピールできる時代。セレブの世界のハードルが低くなったように感じつつも、彼女たちが持つハイブランドの服やアクセサリーは到底手に入らない。「セレブに近づきたい、セレブになりたい!」そんな思いが若い子たちを突き動かし、暴走させていくのです。
『ブリングリング』

『ハリー・ポッター』のエマ・ワトソンが頭空っぽのギャルを好演

ソフィアの映画は上品で美しくノスタルジックな世界観がありましたが、『ブリングリング』の世界は正反対。毒々しくて愚かさをむき出しにしています。捕まっても反省がなく、逆に有名になれたと浮かれている様子は不快極まりない!と思いつつも、これが現実か……と頭を抱えたくもなります。
でもこういう少女たちを映画にすることで、いまの若い子たちがその愚かさを客観視できるかもしれない。ソフィア・コッポラ監督はそんな希望をこの映画に込めているような気がしましたね。

しかし、セレブの豪邸のセキュリティの甘さにはビックリ。あとパリス・ヒルトンの家が撮影に使われているのだけど、その悪趣味の極みのような自宅にもビックリですよ。
『ブリングリング』

盗んだ札束でキャッキャしているギャルたち。。。

監督: ソフィア・コッポラ
出演: エマ・ワトソン、ケイティ・チャン、タイッサ・ファーミガ、イズラエル・ブルサード、クレア・ジュリアン、ギャヴィン・ロズデイル、ジョージア・ロック、レスリー・マンほか
(C)2013 Somewhere Else, LLC. All Rights Reserved

※次のページでは、監督デビュー作『ヴァージン・スーサイズ』をご紹介。

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