4. Saphir Bees Wax Fine Creamの黒
Saphir Bees Wax Fine Creamの黒はM.Mowbrayシュークリームの黒に比べ、赤や黄を感じさせてくれる色合いです。黒系なのに「明るさ」もあるような…… くすみが少なく均質に色が入って行くのも特徴です。
ではフランスのメーカー・AVEL社のブランドであるSaphir(サフィール)だと、一体どんな「黒」になるのでしょうか? まずは通常バージョン、青地に白で「SAPHIR」と書かれている乳化性靴クリームのそれが、上の写真です。因みにフランス本国ではこの靴クリームは”Crème Surfine”意訳すると「特上クリーム」の名で売られていますが、その色合いはズバリ、「モゥブレィの黒」に比べ赤味・黄味が増しているグレイ。また、それに比べややくっきりとした印象で、これは成分にくすみの少ないのが特長のアーモンドオイルを配合している効果かも?
紙に塗る際の抵抗感は「モゥブレィの黒」とほぼ同じで、特段のクセはないものの、光沢はそれに比べより均質に、何か薄いベールを一枚被せた上で出ているような印象があります。この乳化性靴クリームは補色・着色力を増すため顔料を多めに配合、つまり色を「染めて出す(これは染料の役割)」以上に「乗せて出す」戦法を採用している為、恐らくその結果なのでしょう。日本での名の通り蜜蝋を配合しているお陰で、薬品臭さを感じない代わりにフルーツ的な香りが丁度良い塩梅なので、男性のみならず女性にも違和感なく使える「黒」ではないでしょうか。
Saphirと言えば、やはり「あれ」を語らぬ訳には行きません。次のページで!