暮らしの歳時記/冬の行事・楽しみ方(12~2月)

成人式の「振袖」は良縁につながるってホント?(2ページ目)

なぜ成人式に振袖を着るのでしょう? 振袖の由来から、振袖に込められた思いがわかります。「フラれた」の語源になった恋愛事情、厄払い、袖にまつわる言葉など、振袖文化のおもしろさを紹介します。

三浦 康子

執筆者:三浦 康子

暮らしの歳時記ガイド

袖にまつわる言葉

振袖姿

振袖には、良縁、御加護、厄除けなど幸せを思う気持ちが込められています

恋愛において袖を振ることは求愛のサインでもあったようで、相手に袖を振り、袖を振り返してもらえればOKのしるしだったとか。「振った」「振られた」の語源はここにあります。

このほかにも、袖にまつわる言葉には、人間関係を意味するものが多くみられます。

・袖にする
親しくしていた人を冷淡に扱うこと。

・袖を引く
人を誘ったり、そっと注意したりすること。

・袖にすがる
あわれみを請うこと。

・袖振り合うも多生の縁
道で人と袖を触れあうようなちょっとしたことでも、前世からの因縁によって起こるものだ。

・ない袖は振れぬ
いい返事をしたくても、実際に無いものはどうしようもないということ。転じて、お金を貸したくても財力がなければ貸せないという意味となった。


振袖には、良縁、御加護、厄除けなど幸せを思う気持ちが込められています。こうした文化背景を知っておくと、振袖姿が感慨深く映るでしょう。


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