5000年以上前に遡るストーンヘンジの歴史
「Π」の形をしている3つ石がトリリトン。これはもともとこの形で、5組が馬蹄型に並べられていた。現存するのは3組のみ
最初期は紀元前3100年前後に築かれた直径110メートルほどの土のヘンジ(ストーンヘンジ1)で、円形に土手を築き、その中でなんらかの儀式を行っていたらしい。紀元前3000年頃にはその内側に木製のヘンジ(ストーンヘンジ2)が築かれた痕跡があるが、詳しいことはわかっていない。
紀元前2600年前後にはさらに内側に約80個のブルー・ストーンが並べられ(ストーンヘンジ3-I)、紀元前2400年ほどまでにサーセン・ストーンによるサークル状のストーンヘンジが築かれた(ストーンヘンジ3-II)。トリリトンによる馬蹄型のヘンジ(ストーンヘンジ3-V)は紀元前2000~前1600年頃の比較的新しいものであるようだ。これ以外にもこの地では紀元前8000年前の柱跡や紀元前2600年頃の住居跡なども発見されている。
手前に転がっているのがブルー・ストーン。サーセン・ストーンとブルー・ストーンは手で触れると表面温度が違うのがわかる
ヨーロッパの巨石文明は文字を持たないうえに、築いた人々はこうしたメガリスを放棄した後いっせいに姿を消してしまった。このためこれらの疑問には決定的な回答が出せず、推測するしかない。
ただ、太陽の運航と関係していることや、ストーンヘンジの形が自然界であまり見られるものではないことは確かだ。また、船とテコを使えばなんとか石を運べただろうことも確認されている。