フレンチ/東京のレストラン

ブリーズヴェール(芝公園)(2ページ目)

隠れているレストランというべきか。ザ・プリンス パークタワー東京の中のフレンチ、と表現するより料理長を務める吉田功氏の個性が発揮されたメインダイニング。景色も良く、これからのクリスマスシーズンに向けて予約が取れていないカップルにはぜひオススメしたいレストランだ。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド


シェフ、吉田功の世界はまだ始まったばかりだ

メインは「鴨ロース肉のパイ包み焼き ほんのりとショコラが香る赤ワインソース」だ。メインは伝統的フランス料理の王道を行くもので勝負ときた。鴨に合わせたショコラはソースにコクを加え、料理とソースの伝統的マリアージュが味わえる逸品。
メイン

ソースに複雑な香りと味わいを込めることによって鴨料理が飛び立つ、といっては言い過ぎだろうか

次は「舌平目のショロンソース 菜園仕立て カカオ風味のドーム」。
舌平目のカカオも香ばしさを醸し、これも余韻の長い料理に仕上げられている。
舌平目

ドーム型の見せ方にデザインセンスを感じる


メニューを決めるに当たっては、ボルヌ氏と何度もキャッチボールがあったという。何と行っても相手は世界的な権威でもあるM.O.F.だ。吉田シェフが発案した料理メニューとレシピに対して、シェフからはデザート候補が10品ほど届き、その中からコースを決定したと聞く。
デザート

さすがMOFのデザートには感嘆の声が上がる

ホテル1階のロビーラウンジで、2012年のシェフのオリジナル・デザートから「苺のミルフィーユ」が定番メニューとしていただける。「レシピが公開されていても、シェフが作るお菓子のおいしさは格別。M.O.F.のデモンストレーションはスタッフ全員にとって、いい刺激になります」と吉田シェフ。M.O.F.パティシエのレシピを是非、体験してみてほしい。

今回の饗宴では吉田シェフの非凡なセンスに驚きを隠せない。画一的なホテルのフランス料理にはない何かがある。そして彼は常に「ゲスト」を見ている。組織にはびこる上下関係など気にせず、どんどんファンを作っていくことを望みたい。

日本人らしい、素材の本質をピンポイントで引き出す正確さ、舌にやさしい軽やかさは、まさに今のフランス料理に他ならない。チャレンジ精神も旺盛なので、きっとまた嬉しい驚きを演出してくれるに違いない。季節を変えて今度はディナーに出掛けてみたい。

クリスマスの時期はまだ席に余裕があるようだ。華やかな銀座もなく、グルメチックな恵比寿でもないが、ここには何か本質めいたものを感じる。何処も予約でいっぱいだ、と思った方にはぜひオススメしたい。

ブリーズヴェール(芝公園、ザ・プリンス パークタワー東京)
予約電話 03-5400-1154(直通)
クリスマスメニューはこちら
2013年12月21日(土) ~ 12月25日(水)
地図



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