シェフ、吉田功の世界はまだ始まったばかりだ
メインは「鴨ロース肉のパイ包み焼き ほんのりとショコラが香る赤ワインソース」だ。メインは伝統的フランス料理の王道を行くもので勝負ときた。鴨に合わせたショコラはソースにコクを加え、料理とソースの伝統的マリアージュが味わえる逸品。ソースに複雑な香りと味わいを込めることによって鴨料理が飛び立つ、といっては言い過ぎだろうか
舌平目のカカオも香ばしさを醸し、これも余韻の長い料理に仕上げられている。
ドーム型の見せ方にデザインセンスを感じる
メニューを決めるに当たっては、ボルヌ氏と何度もキャッチボールがあったという。何と行っても相手は世界的な権威でもあるM.O.F.だ。吉田シェフが発案した料理メニューとレシピに対して、シェフからはデザート候補が10品ほど届き、その中からコースを決定したと聞く。
さすがMOFのデザートには感嘆の声が上がる
今回の饗宴では吉田シェフの非凡なセンスに驚きを隠せない。画一的なホテルのフランス料理にはない何かがある。そして彼は常に「ゲスト」を見ている。組織にはびこる上下関係など気にせず、どんどんファンを作っていくことを望みたい。
日本人らしい、素材の本質をピンポイントで引き出す正確さ、舌にやさしい軽やかさは、まさに今のフランス料理に他ならない。チャレンジ精神も旺盛なので、きっとまた嬉しい驚きを演出してくれるに違いない。季節を変えて今度はディナーに出掛けてみたい。
クリスマスの時期はまだ席に余裕があるようだ。華やかな銀座もなく、グルメチックな恵比寿でもないが、ここには何か本質めいたものを感じる。何処も予約でいっぱいだ、と思った方にはぜひオススメしたい。
ブリーズヴェール(芝公園、ザ・プリンス パークタワー東京)
予約電話 03-5400-1154(直通)
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2013年12月21日(土) ~ 12月25日(水)
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