1時間で数万個!? 衣服に付着する大量花粉

花粉症

ウールのセーターで1時間外出した場合、付着した花粉は約7~9万個でした。花粉症の人は衣類の工夫も大切です

花粉シーズンに外出すると、目には見えない大量の花粉が衣服に付着します。1時間外を歩いただけで、その数は数万個にもなります。

ライオン研究所が日本アレルギー学会で報告したデータによると、2005年の花粉飛散シーズンに旧中川河川敷(東京都江戸川区)において、平均花粉飛散量600個/m3、気温12℃、湿度60%の気象条件の下で行った調査によると、1時間歩行後の衣服への花粉付着量(背中下部30cm四方の花粉を測定)は、衣類1着あたり、ウールセーターで約7~9万個、綿シャツで約2~3万個でした。静電気を除くと、半分でした。このデータからは、やはり毛の服は避けた方がいいということと、静電気を帯びる服は避けるべきということが判ります。

洗濯物にも花粉が付着するため、外干しでは花粉がなかなか取れなくなってしまいます。花粉のついた衣服を手で払っても、意外と花粉は残ってしまうのです。

P&G清潔生活研究所の報告によると、濡れた状態から花粉のついた洗濯物を乾かし、その後に手で払っても80%以上の花粉は付着したままになり、また、乾燥した洗濯物に花粉をつけて手で払った場合でも、約15%の花粉が残ってしまうことがわかりました。実際の実験では、洗濯処理をした試験布に花粉を付着させ、気温20度、湿度40%の環境下で乾燥させ、手で払う振動を加えた、というものです。この場合、80%以上の花粉が 布に付着したままでほとんど落ちなかったという結果で、乾いた状態の試験布に花粉を付着させ、振動を加えた場合、花粉残留率は14.7%でした。

屋外

外には花粉がいっぱいです

このように、室内には意外なほど多くの花粉が入り込みます。換気はもちろん、外出先からの人の出入りや、外に干した布団や洗濯物によって、花粉は室内に簡単に入ってくるのです。

花王研究所は、家の花粉の総量は約2000万個で、換気による侵入が60%、布団、洗濯物などの付着物が40%という調査結果を報告しています。上着からの持ち込みは約2%ですが、それでも約40万個です。

個人差はありますが、50個程度の花粉がある環境でも花粉症症状が出る可能性があるので、花粉の室内の侵入には、できる限り注意した方が良いことが判ると思います。

では、避けられない外出と、花粉が付着してしまう衣服の対策はどうしたらいいのでしょうか? 

衣類に付く花粉を減らす方法

■表面がツルッとした素材の服を選ぶ
表面がツルッとした服は、花粉の付着自体を少なく抑えられます。ただし静電気が発生すると花粉が付着しやすくなるので、ツルッとした素材の中から静電気が発生しにくそうなものを選ぶとベストと言えます。ウールなどの毛の服は花粉症シーズンは避けた方がいいでしょう。

■静電気防止スプレーを活用する
衣服の静電気を防ぐスプレーがありますが、スギ花粉飛散のシーズンにも役立ちます。この時期は乾燥するので、より静電気も発生しやすいです。外出前に衣類にスプレーしておくのも効果が期待できそうです。

■洗濯後の衣服を室内干しにする・洗剤と柔軟剤を選ぶ
室内に多くの花粉を持ち込んでしまう外干しした洗濯物。洗濯後の衣服に花粉が付着しないようにするために、この時期は部屋干しをするのがよいでしょう。部屋干しでは、衣服の生乾きによって、嫌なニオイが発生してしまうことがあります。そのニオイの原因の多くが、洗濯で落としきれない酸化した「汚れ」と湿度の高い中での「菌の増殖」です。それらを解消するために、洗浄力が強い洗剤や、ニオイが気になる場合は良い香りのする洗剤や柔軟剤を使ってみるのもよいかもしれません。

花粉対策の室内干しに便利な洗剤の選び方については、「洗濯物に花粉をつけない方法」記事をご覧ください。

柔軟剤は、部屋干し時の嫌な生乾きのニオイを抑えてくれます。さらに、静電気を抑えることで、花粉の付着が減ります。

服に付いた花粉を落とす方法

■はたく
まずは、しっかりとはたくことが大切です。服によっては生地を傷めないように、遠心力を使ってパタパタはたくのも良いと思います。

■粘着クリーナー
いわゆる「コロコロ」です。衣服についたホコリや花粉を粘着テープで取ってくれます。捨てる時に再飛散しないので、便利です。

■掃除機
掃除機の吸い取るのも1つの方法です。吸引力が強いと服まで吸いこんでしまいますので、布団用のノズルなどを使う方がいいかもしれません。できれば、掃除機の排気口が服に当たらないようにしましょう。その意味では、ハンディクリーナーが便利かもしれません。

服に付いた服を飛散させない方法

服に付いた花粉の再飛散を抑える消臭剤というものもあります。服に付いた花粉が残ってしまっても、室内で服から再飛散するのを防いでくれます。花粉ははたいても約15%残ってしまうので、静電気のない綿のシャツを着ていても、最低でも1500個の花粉が室内に持ち込まれることになります。これだけでも花粉症の症状が出る可能性がありますから、できるだけ少ないしたいものです。

このように、重要な衣服の花粉症対策。生活のちょっとしたことを工夫したり、いろいろな対策グッズを活用するなどして、自分に合った方法で対策を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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