男のヘアケア/抜け毛・薄毛の対策

薄毛予防だけじゃない?「IGF-1」の意外な実力(2ページ目)

私が提唱している薄毛予防、育毛促進理論でその根幹を成す体内物質「IGF-1」。これは体内の知覚神経を刺激することで増加し、抜け毛・薄毛を改善すると何度も説明してきました。しかし、今回の記事ではIGF-1の持つ「アンチエイジング」「血圧の上昇、認知症、うつ病などの予防」といった作用にも注目します。これらの情報を通じて改めてIGF-1を理解し、抜け毛・薄毛対策を続けていきましょう。

執筆者:All About 編集部


脳の神経細胞機能改善も

ビジネスマン2

IGF-1はメンタルストレスの軽減にも関連が

厚生労働省の調べによれば、うつ病の12ヵ月有病率(過去12ヵ月に経験した者の割合)は1~8%、生涯有病率(これまでにうつ病を経験した者の割合)は3~16%とのこと。また、うつ病など「気分障害」の患者数はここ10年ほどで急増し、100万人を超えてしまいました。

さらに、年約3万人以上といわれる自殺者のうち、うつ病が原因と判明した人は2010年に7000人を超えています。あるいは、皆さんの周りにもうつ病に悩み、休職、転職を余儀なくされている方がいるかもしれません。

この深刻で身近な心の病・うつ病の予防にも、IGF-1は関連があることがわかっています。というのは、IGF-1には毛母細胞の成長を促すだけでなく、脳の認知機能を担う神経細胞の機能改善、再生を促す働きもあるからなのです。

私たちはかつて、薄毛改善の効果を研究するため、複数の被験者にカプサイシンとイソフラボンを同時摂取してもらう実験を行いました。そのなかには抑うつ症状をもっている方が5名混じっていたのですが、実験を開始して5ヵ月後、その5名の抑うつ症状が改善していることがわかったのです。また、カプサイシンの投与でIGF-1が増えたマウスは、認知機能が改善したことも判明しました。


モチベーション向上に役立つ、IGF-1の働きの数々

IGF-1は、他にもまだメリットとなる作用をもっています。簡単にまとめておきましょう。

  • ビタミンがもたらす作用をもっている……ビタミンCやEの抗酸化作用、ビタミンDの骨密度を上げる作用、ビタミンB1の心臓の動きを高める作用、ビタミンAの目の粘膜である角膜と結膜を保護する作用などがある。
  • 血圧を下げる作用……血管を拡張させて血液循環をスムーズにし、心臓疾患ほか、生活習慣病予防に期待できる
  • ナチュラルキラー細胞の活性化……インフルエンザウイルスなどの外敵から身体を守る白血球の中には、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)と呼ばれる免疫細胞がある。実は、人間の体内では毎日のようにがん細胞が発生しているが、ほとんどの人が発症しないのは、このNK細胞が排除してくれるおかげ。IGF-1には、このNK細胞を活性化する働きがある。
IGF-1の働きの数々、ご理解いただけたでしょうか。これらは抜け毛・薄毛予防のために始めたカプサイシン、イソフラボンの同時摂取を継続させる、大きなモチベーションになるのではないでしょうか。
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