損害保険/傷害保険の基礎を学ぼう

傷害保険の保険料率・約款の改定で今後どうなる?(2ページ目)

傷害保険の保険料率、約款が2013年10月に大手損保を中心に改定されています。保険約款の変更は、補償範囲や保険金支払いの基準にも大きく影響します。傷害保険の改定と主な注意点について解説します。

平野 敦之

執筆者:平野 敦之

損害保険ガイド

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■傷害保険の手術給付金の改定
傷害保険の手術給付金は、保険約款に記載のある所定の手術に限られていました。対象となる場合、手術の内容によって入院給付金の10倍・20倍・40倍の保険金が支払われます。

これが公的な健康保険と連動するようになり、手術給付倍率が一律になりました(例えば入院なしなら5倍、入院が伴う手術なら10倍など)。

昨今の医療保険がこれに似たかたちに変わってきていますが、それと同じイメージです。ただし対象になる手術は増えて、代わりに倍率が一律になったため、手術内容によっては給付倍率が下がったものもあります。

■傷害保険の通院保険金の改定
傷害保険、約款改定のポイントは?

傷害保険、約款改定のポイントは?

傷害保険の通院保険金の支払い基準には、「平常の業務に従事すること、平常の生活ができなくなった場合~」などという要件が記載されています。

傷害保険に長く加入していて、保険金の請求をしたことのある人は経験があるかもしれませんが、例えば怪我の具合がかなり良くなって仕事も始めたが、まだ通院中とします。

このようなケースで以前は通院した日数をすべて支払わず、カットして支払っていたことがあります。ここ何年かはこうしたことはしなくなってきたようですが、保険約款上もこうした文言を削除しています。

また例えば腕の骨を折ってギブスをしている場合、ギブスをしている期間は通院しているものとして通院保険金の支払いの対象となります。

ところがギブスにもギブスシーネやギブスシャーレなどいくつか種類があり、特にずっと固定せず自分で取り外せるようなギブスは対象にしないなど、分かりにくい対応になっていました。

これを保険約款上、対象になる「症状」・「装着部位」・「器具」について明確化されました。

■交通事故傷害保険の適用範囲
交通事故傷害保険は思ったより補償範囲が広く、建物内での火災も対象でした。他にも被保険者の歩行中の崖崩れ・岩盤等の落下、火災・爆発なども保険金の支払い対象でしたが、これらが削除されています。

交通事故傷害保険については対象範囲が狭くなっていますので注意してください。

傷害保険約款改定に伴う注意点

現在、傷害保険に加入している人は、今後満期を迎えた後の契約でここまでお話ししたような内容に変わっていることがあります。以前は保険金が出たけれど、今回は出ないと言われた。逆に、以前は保険金が出ないと言われたけれど、今回は出るらしい。いずれのケースも考えられますので、傷害保険を継続する際に改定内容をよく確認しておくことが重要です。

1年契約の傷害保険は自動継続扱いになっているものも珍しくありません。対面販売で説明を受けるなら相手に聞けますが、自動継続なら送られてきた書類を自分で確認しなければなりません。

ちょっと面倒かもしれませんが、もしものときに話が違うとならないようにしておきましょう。
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