Q:失礼を承知でお伺いしますが、通訳中に失敗してしまった! ここが大変! というようなエピソードはありますか?
阿:大学時代、アルバイトで通訳をしたことがありました。その交流会の通訳の場で、頭が真っ白になり訳せなくなってしまったことがありました。あのときは本当に焦りましたね。時に失敗したな、と思い落ち込むこともありますが、そうした教訓は消化、吸収しポジティブな成長の糧へと変えていくことも大切です。
大変だなと思うときは、やはりスピーカーのなまりが強いときですね。中国は広いですから。また、どんなときでも中立の立場で通訳することを心がけています。
フリーならではの大変な点として、季節的な上下もそうですが、何か突発的な事があった時に仕事量が大きく変わるなど、不安定な面があることが挙げられると思います。
Q:ありがとうございます。日本人の中国語学習は、どうしても政治的な問題に影響されやすいですよね。それでは逆に、通訳をしていてよかった! と思えるのはどんなときですか?
阿:やはりクライアントから感謝されたとき、同じ案件の継続依頼が入るなど信頼して頂けたときにはやはり嬉しいですね。また、自分自身でもうまく訳せたのではないかと思うことができたたときにも、充実感がありますね。そのためにも、放送の仕事などでは前日の準備や睡眠などもなるべくパターン化し、ベストなパフォーマンスができるよう心がけています。
Q:先生は現在、通訳を教えるお仕事もされていますが、実際に受講生の方に教えてみていかがでしょうか? また、通訳者を目指す人にアドバイスがあればお願いします!
阿:通訳には100%の正解というものがありません。そんな中、受講生の出される訳文で「おっ」と感じるいい訳が出てくることがよくあります。そういうときに刺激を受けますね。また、中国語通訳の世界に、興味を持って学んでくださる方が多くなってきたことは嬉しいです。
通訳者を目指す方には、あきらめないでモチベーションを維持し続けることが大事だとお伝えしたいです。今はインターネットも便利ですし、スマートフォンやタブレットを使えば中国語の本を読むことだって、動画コンテンツを視聴することだってできます。実際私も、お風呂や電車の中などで動画を見たりしています。長風呂の方にはおすすめですよ(笑)。
語学は終わりのない世界ですから、謙虚に向かい合って、できることは何でもしておきたいですね。中国語に向かい合うことは楽しいとお思いでしょうから、いかに日々の生活に取り入れていくかがポイントです。
――ありがとうございました! お話を聞けば聞くほど、身につまされる思いがしました。また、それぞれの通訳者によって仕事の進め方が異なる、ということがとても印象的でした。
日々の学習を進める中で、将来どのように中国語を使っていきたいのか、どう中国と関わっていきたいのか、意識しておきたいポイントですね。
阿部先生、本当にありがとうございました!
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