中国語/中国語アーカイブ

この人に聞く! 第1回:中国語通訳者・阿部将顕さん

今は中国語を始めたばかりでも、いつかは中国語で仕事をしてみたい! という方も多いでしょう。そんな中国語学習者のみなさんと、ガイド本人のために(笑)今回から、不定期で「この人に聞く!」と題して、中国語の各分野のプロにお話を伺っていきます。記念すべき第一回目は、中国語通訳者の阿部将顕(あべ まさあき)さんにご登場いただきます。

金子 真生

執筆者:金子 真生

中国語ガイド

Q:阿部先生、こんにちは。今日は中国語通訳者としてご活躍の先生にお話を伺いたいと思います。まず、中国語学習を始められたきっかけについてお教えいただけますか?

阿部将顕さん(以下・阿):もともと、中国の歴史に強い興味がありました。昔から中国の歴史小説なども読んでおり、大学入学の際に東洋史専攻を選択、第二外国語として中国語学習を始めました。

Q:きっかけは第二外国語だったのですね。少し意外に思います。先生はその後留学に行かれていますが、どのような経緯で行かれたのでしょうか?

阿:大学2年生のときに、語学研修で1カ月北京に行きました。そのときは、自分の中国語が通じないものだなあと思い、もう一度北京へ短期で1カ月、その後、大学3年生が終わる頃の2月から、翌年2月まで、1年間留学しました。卒業論文の資料なども集められ、とても有意義でしたね。

Q、留学から戻られてからは、どのように勉強されたのでしょうか?

阿:民間の通訳養成機関に通いました。その中で、自分自身に強みがほしいと思い、学士入学で夜間の大学に通い、生物学を学んだりしました。それ以前にも、学士入学で別の大学で中国文学や中国語教育などを学びましたから、3つの大学に通ったことになります。その後、大学院に通訳養成課程ができるということを聞き、大学院に進みました。
あ

穏やかな雰囲気の中にも、ご自身には非常に厳しい阿部先生。


Q:通訳学校では、どのようにトレーニングをされたのでしょうか?

阿:まず、はじめに逐次通訳クラスに入りました。そこでは、覚えていれば確実に口をついて出る宴会のあいさつ、決まり文句などを徹底的に身体に入れました。

1年ごとにクラスが上がっていくので、2年目からは実際に同時通訳ブースに入って通訳訓練をしました。このときには逐次クラスで練習した素材なども使って、同時通訳の基礎を学び、3年目からは、さまざまな分野の素材を使い、同時通訳の精度を高めていく訓練を行いました。

Q:それはとても苦しい訓練ですね・・・。想像を絶する世界です。

阿:宿題が多いため、フルタイムの仕事を持っていらっしゃる方などは継続して出席するのが難しくなってしまう場合もあるでしょう。また通訳の学習ではなく語学学習の一環として捉えてしまうと、通訳の授業は時に厳しいものと感じられてしまうかもしれません。

しかしフリーランスの通訳者を目指す、あるいは日頃の仕事で通訳もしっかり対応できるようにしたいと思うのであれば、時には厳しい授業も乗り越え、レベルアップしていくことも必要だと思います。

7つ道具。双眼鏡は、留学中にロシア市場で手に入れられた思い出の品とのこと。テープは資料を貼ったりする際使用。ペンも数種、シーンによって使い分けるそうです。

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イヤホンジャックも現場の機材に対応できるよう、数種用意。

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