文法アレルギーは損?
日本人が、英語を聞いたり話したりするのが苦手な原因として、しばしば槍玉に挙がる「英文法」ですが、みなさんもそう思いますか?実は、私も高校生まで文法アレルギーでした。でも、実はこのアレルギー、改善すると英語力がかなり伸びるのです。私は高校生の時に、英文法という科目で2(5段階で5が一番良い成績)を取った経験があります。その頃には発音も今とあまり変わらず出来ていましたし、ネイティブ・スピーカーの先生とも、少しですが意志の疎通が出来たりもしていました。今考えれば、相手が先生だったからこそ会話が成立していたとわかるのですが、当時の私は「文法なんか苦手でも、私は話せるもん!」と生意気にも思っていたのです。若気の至りというやつですね。
でも、ある英語の資格試験を受けたところ、文法セクションでまったく得点出来ていないことに気が付きました。文法は知らないと終わり。手の打ちようがありません。英語をある程度のレベルで身につけるために必要なのは文法だと悟った瞬間でした。
文法は、英語の世界の地図とコンパス
考えてみれば、英文法を学ぶことなくいきなり会話の中に放り込まれていたら、とても現在のような英語は身につけられなかったと思います。母語なら可能なことも、外国語ではそうは行きません。特殊な環境を除き、母語である第一言語と、外国語である第二言語は、まったく異なる仕組みで習得して行く必要があるのです。森林を探検するのに、地図もコンパスもなく、ひたすら自分で道を開拓して行くのは大変な苦労です。でも、先人が開拓してくれた道が記してある地図や、行き先を示すコンパスがあったらずっと楽に歩みを進めて行けるはずですよね?
その一つが英文法です。
ですから、英文法は使い方によっては宝物で、余計な苦労をせずに英語が学べる道しるべと考えることが出来るのです。
次ページで、例を挙げて考えてみましょう。