一人暮らし/一人暮らしのおすすめレシピ

今人気!一人鍋つゆの素、食べ比べレポート(3ページ目)

寒い季節に恋しくなる鍋料理。最近は一人暮らしに嬉しい一人鍋用のつゆも多く発売されて、人気を博しています。そこで今回は、各メーカーから発売された一人鍋つゆの素を比較調査。12種類をすべて食べ比べて、その特徴をレポートしています。

河野 真希

執筆者:河野 真希

一人暮らし・簡単一汁三菜レシピガイド

 ガイドのイチオシ鍋つゆで鍋料理を実食

スープのみでの実食をしましたが、そのうち各メーカーから1種類ずつガイドがもっと美味しいと感じた鍋つゆで鍋料理を作り、それぞれ〆までしっかり味わってみました。

■エバラ『プチッと鍋』…キムチ鍋
プチッと鍋・キムチ鍋

キムチがなくても、しっかりキムチ鍋ができて便利。柔らかい辛味と甘みがいい

(使用した食材)豚ばら肉・白菜・もやし・ぶなしめじ・えのき
(〆)うどん

煮込んでいるときからキムチの香りがして、食欲をそそります。柔らかい辛さで、たっぷりと食べやすい味。極端な辛さや酸味がないため、食材の味を生かしてくれるように感じます。

自分でキムチ鍋を作るとき、深い味わいを出そうとするとキムチにプラスして、味噌やにんにく、ゴマなど他の調味料や薬味を加えなければならないですが、これひとつでコクのあるだしに仕上がるので、便利。キムチを買うよりもリーズナブルにキムチ鍋が食べられるので、オトク感があります。

〆にはうどんを入れ、卵を溶きいれました。だし汁は辛味の中にもまろやかさが感じられ、最後まで美味しく食べることができました。

■ヤマサ『お鍋にポンパ』…鶏だし塩鍋
お鍋にポンパ・鶏だし塩鍋

化学調味料っぽさを感じない自然な味わい。少し贅沢な一人鍋つゆです

(使用した食材)鶏もも肉・白菜・ぶなしめじ・水菜・にんじん
(〆)雑炊
スープだけで味わったときと同じく、柚子の香りがとてもよく、食が進みます。あっさりとしただしが鶏肉と好相性。柚子の粒が食材とともに口に入るため、最初から最後まで爽やかな風味で食べられます。これは他の鍋つゆにない香りと口当たりです。また、市販の鍋つゆに感じがちな極端な化学調味料くささがないため、食材そのものの味をしっかり感じられます。

薄味で、汁までしっかり食べ切ってしまいたくなるだしだったので、〆は雑炊にしました。ほどよい塩気がご飯に染みて、最後までゆずの香りを楽しみつつ、汁も一滴残さず食べ切りました。

価格としては一食当たり112円と他の鍋つゆに比べて格段に高いですが、他の鍋つゆとは違った自然な深みある味わいが魅力。高いといっても数百円の話なので、気軽なプチ贅沢として楽しむのもアリかと思います。

■ニッスイ『鍋スティック』…とんこつ鍋
鍋スティック・とんこつ鍋

予想通り、〆が美味しい。肉や野菜をしっかり食べたあとに、美味しいとんこつラーメンが食べられるのは◎

(使用した食材)豚ばら肉・キャベツ・もやし・にんじん・えのき
(〆)ラーメン

とんこつというと濃厚なイメージがありますが、具材を煮こむと、予想外にあっさりと食べられます。とんこつの旨みが野菜の甘さを引きたてて美味しい。こってり味をイメージしていると肩透かしを食うようですが、優しいとんこつ風味でクセが少なく、野菜をたっぷり食べたいときに良さそうです。

自分でとんこつ味のスープを作るのは難しいので、この鍋つゆを活用するのはアリだと思いました。自分でも作れそうな鍋つゆよりも、こういった変わり種こそ利用価値があるかもしれません。

〆には煮込み用のラーメンを入れました。ただし、ラーメンを煮るには水分が足りそうになかったので、水50ml程度追加。麺を入れたことで、とろみと塩分が足され、とろりと濃度のあるとんこつラーメンのような仕上がりになりました。最後に濃厚な麺を食べることで、「これぞ〆!」というような満足感がありました。

■味の素『鍋キューブ』…寄せ鍋しょうゆ

鍋キューブ・寄せ鍋

スープだけで味わったときと、鍋にしたときの意外性No.1。意外とあっさり、シンプルな寄せ鍋

(使用した食材)鱈・白菜・にんじん・ぶなしめじ・えのき・水菜
(〆)雑炊
スープだけで飲んだときと鍋料理にしたときで、最も意外性があったのがこの鍋つゆ。油分が多く、コンソメ風味が強く感じられるだしでしたが、具材を一緒に煮こむと、案外とシンプルな寄せ鍋に変化。ホタテと鶏がらのだしとのことで、もっとクセがあるかと思いましたが、具材との相性も悪くありませんでした。

固形スープは溶けにくく、味が偏る部分が出るかと思いましたが、食材を煮込んでいるうちによく水に溶け込み、気になるところはありませんでした。むしろ、とろみを感じるため、食材によく絡み、味が染みているように思いました。

〆は雑炊にしましたが、だし汁もしっかり味わいましたが、やはりスープだけで飲んだときのような特徴のある風味は感じられず。食材と煮込むと、合うように調整されているのでしょうか。もしかしたら他の味も、具材とともに煮てみると、意外な変化があるのかもしれません。
 

一人鍋つゆの素は便利? それとも?

結論から言うと、一人鍋つゆの素は一人暮らしにとても便利です。これまでの大きな瓶やパックだと一度では使い切れないことがほとんど。一度開封したものは基本的に冷蔵庫で保存しておかなければならず、そうなると、一人暮らしの小さな冷蔵庫の貴重なスペースを奪われてしまいます。また、衛生面的にも味的にも開封後はできるだけ早く食べ切らなければならず、結局無駄にしてしまうことも多くありました。

一方、今回紹介した一人鍋つゆの素はどれも常温保存可。購入時からの賞味期限は、いずれも半年から一年近くありました。一度買ったからといって無駄にしないために立て続けに鍋を食べなければならないということもありません。

味は同じ「寄せ鍋」「キムチ鍋」であっても各メーカーでずいぶんと違いがあるので、好みのものを見つけたいもの。鍋料理は一度にたくさんの食材がとれるため、一人暮らしにおすすめの料理。煮込んだときに、味わいの変わるものもあるため、各メーカーや味で食べ比べする楽しみもありそうです。

一人鍋つゆの残念なところを強いて言うのであれば、ひとつのパッケージに3~8食分入っていて、一人ですべて食べるとなると、何度も同じ味が続いてしまうところ。いろんな味の入ったバラエティパックがあると、一人暮らしでも飽きずに食べられていいのになぁ、というのが私のリクエスト。各メーカーさん、いかがでしょうか?
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