大学生の奨学金/奨学金の基礎知識・トレンド

入学時特別増額貸与奨学金と一種と二種の併用貸与

毎年130万人以上の学生が利用している日本学生支援機構の奨学金には無利子の「第一種奨学金」と利息のつく「第二種奨学金」があります。その他、入学初年度のみの一時金としての「入学時特別増額貸与奨学金」という3つ目の奨学金もありますが、その採用条件は少し複雑な内容となっています。今回は、入学時特別増額貸与奨学金と一種と二種の併用貸与について解説いたします。

久米 忠史

久米 忠史

大学生の奨学金 ガイド

奨学金をわかりやすく解説するアドバイザー。進学費用で悩む保護者や生徒が進学の可能性を見つけられるように、全国で奨学金や進学費用に関する講演を行う。また、ウェブサイト「奨学金なるほど!相談所」を開設するほか、ブログ、動画などを活用して積極的に情報発信を行っている。

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「入学時特別増額貸与奨学金」の内容

前回の記事では日本学生支援機構の第一種奨学金と第二種奨学金について説明しました。

日本学生支援機構には、さらに「入学時特別増額貸与奨学金」というもうひとつの制度があります。長ったらしくて覚えにくい名称ですよね(笑) 保護者からも時々、この奨学金の意味がよく分からないという質問を受けることがあります。

入学時特別増額貸与奨学金は、第一種・第二種奨学金のように毎月振り込まれるものと違って、入学初年度に一度だけ借りることのできる一時金としての有利子奨学金です。

また、入学時特別増額貸与奨学金は、第一種もしくは第二種奨学金の利用者がさらに追加で申し込むことができるものであり、この奨学金だけを借りることはできません。

入学1年目は入学金や新生活の準備、教材費などで2年目よりもお金が必要となります。そこで、入学時特別増額貸与奨学金に採用されると、10万円、20万円、30万円、40万円、50万円の中から希望する金額を選択することができます。

解説画像

入学時特別増額貸与奨学金の内容


ただし、入学時特別増額貸与奨学金を利用するにあたって成績基準はありませんが、第一種・第二種奨学金とは異なった家庭の収入基準が設けられています。

続いて、少し複雑な「入学時特別増額貸与奨学金」の収入基準について解説します。

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