ボージョレ・ヌーヴォーは冷やして飲む
20年前は「赤ワインは常温で」と当たり前のように言われていました。けれど、日本の室温はおよそ24、25度ぐらいではないでしょうか? 実際には、普段自宅で気軽に飲むワインは、赤でもこの温度で美味しいものは少ないものです。では、どうしてそう言われるようになったのでしょうか。
それは、フランスでは赤ワインは常温で飲む、という逸話がそのまま伝えられたからなのです。ただし、フランスなどのヨーロッパに滞在された方々は気がつくと思うのですが、あちらの常温は摂氏18度ぐらいなのです。日本人と体感温度が違います。18度ではしっくりくる赤ワインでも、24度ぐらいになると、アルコールや揮発酸といったあまり心地よくない香りが出てきてしまうので注意が必要です。
そしてボージョレ・ヌーヴォーの場合には、確実に冷やした方が美味しい理由があります。それは、赤ワインの中でも特殊な造り方をしているからです。
白ワインより赤ワインを高めの温度で飲むほうが美味しく感じるのは、渋み、タンニンの存在があることが一因です。タンニンは、温度が低いと触感としても角のあるギスギスしたものに感じられ、より渋みを強く感じます。
反対に酸味は温度が低い方が引き締まって心地よく感じますから、フレッシュ&フルーティーで軽快な白ワインはきっちり冷やして飲むのがよい、ということになります。
ボージョレ・ヌーヴォーは、造ってすぐにでも美味しく飲めるように醸造されています。MC法とか、マセラシオン・カルボニック法と呼ばれるものです。この方法の良いところは、鮮やかな色は得られ、華やかなフルーティーな香りになり、タンニンがあまり感じられない赤ワインができる点です。
ですから、冷やして飲むほうが心地よく飲めるものが多いわけです。ただ、以前お薦めしたヌーヴォーの中でも凝縮感が高いタイプのものは、冷やしすぎないほうがよいですから、飲み始める30分ほど前に冷蔵庫から出して、ゆっくり飲むのをお薦めします。
気軽なおつまみと一緒に!
ハム系も色々取り揃えると楽しいですね
まずは、「ハム、サラミ、チーズ」があるとよいですよね。現地でもハムやサラミ、ソーセージといった豚肉加工品はよく食べているようですし、ちょうど味わいのトーンとして相性がよいと思います。ソーセージをベーコン代わりに使った「ジャーマンポテト」というのもお薦めです。
トマトソース系のピザもよく合います。和のおつまみ「焼き鳥」だってOKです。
ボージョレ・ヌーヴォーはタンニンが少ないので、赤ワイン→肉類と考えて、牛肉など赤身肉料理をがんばって準備しなくても大丈夫。例えば、友人が強く薦めていたのは、鰹のタタキです。高知では藁焼きにするそうで、高知流の鰹のタタキがとてもよく合うと言っていました。私はまだ試していないので、今年は鰹を求めてみたいと思います!
例えば、餃子や春巻きといった揚物系でも美味しくいただけます。普段は辛口のロゼワインと合わせることが多いおかずですが、軽快な赤ワインにもちょうど重さ加減が合いますから、ボージョレ・ヌーヴォーにもお薦めです。
あるいは、「ポンデケージョ」というチーズ味のモチモチしたパンもいいですね。ボージョレのあるブルゴーニュ地方でよく出てくるチーズ味のシュー生地「グジェール」に味わいが似ているので、よいおつまみになりそうです。
なにしろ、楽しく気軽に楽しむのが一番です。飲む器も、脚のついたワイングラスではなくて、カジュアルなグラスやコップで飲んでもよいですね。是非、今年のブドウの収穫を祝って、乾杯してください!
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