絵本/絵本関連情報

11月 アートな絵本を自由に楽しむ鑑賞ガイド(2ページ目)

晩秋から初冬へと季節が移りゆく11月。そんな寒い季節には、読者の心が激しく揺さぶられるようなアートな絵本を開いてみてはいかがでしょう。アートな絵本の鑑賞ポイントをガイドしつつ、おすすめの絵本をご紹介します。

執筆者:大橋 悦子

鑑賞ポイント2:形や造形の面白さを楽しもう

色と同じように、形や造形もまたアートにおいて大切な要素です。絵本の読み聞かせをしていると、たとえアートな絵本でなくても、子どもたちが形の面白さに敏感に反応することに気づきます。見たこともないような複雑な形はもちろんのこと、いつも見慣れた丸や三角といったシンプルな形でさえ、ひとたび絵本に登場すると、子どもたちはとても面白がりますね。形には、子どもたちの想像力を刺激する何かがあるのかもしれません。

■へんてこサーカス
形の持つ美しさ・面白さを感じさせる絵本はたくさんありますが、なかでも『へんてこサーカス』は、特別な作品です。白と黒だけで描かれたお洒落なだまし絵が、次から次へと登場し、読者の目をあざむいていきます。どんなに注意深く絵を見ても、読者が1つの形だけにとらわれているなら、絵の中に確かに描かれている本当の形を見抜くことができません。必ずだまされてしまいます。

そのかわり、しかけを見つけ、「あ~、そうだったのか!」と気づいた時の嬉しさは格別です。だまされる快感と形の不思議が1度に実感できる作品です。 詳細はこちら→スリリングなだまし絵の世界『へんてこサーカス』


■それから どうなるの?
形の面白さがストーリーに活かされているという点では、『それから どうなるの?』も、ぜひ手にしていただきたい作品です。こちらは、トーベ・ヤンソンのムーミン絵本ですが、読者自身が様々な形を切り抜きながらお話を楽しむ趣向は、子どもならずともわくわくします。

「形を切り抜く」というひと手間を加えることで、読者がムーミンたちの手助けをしたような満足感が得られますし、「切り抜く」という作業自体が造形にもつながります。形や造形の面白さを体感できる楽しいしかけ絵本です。 詳細はこちら→ムーミンのふるさとで大冒険『それからどうなるの?』


>>最後の鑑賞ポイントは、「情感を感じる」です
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