維持期リハビリテーションに影響する介護保険認定
維持期リハビリテーションは介護保険へ。その意向が大きく反映された結果かもしれません。
「じゃあ、それでいいじゃない」
そんな声が聞こえてきそうです……
しかし、ここに一般的に知られていない、リハビリが打ち切りになる可能性が隠れているのです。それが、冒頭で挙げた「平成26年4月からは、要介護被保険者等については維持期リハビリは医療保険では算定出来ない」につながります。
この内容を簡単に言いますと、維持期リハビリテーションを受けている入院、もしくは外来(通院)の患者さんで、介護保険の認定を受けられている方は、平成26年4月からは、医療保険でリハビリを受けられません。介護保険を使って下さい。という話です。
では、該当する人はどうなるのでしょう? なぜ、このようなことをするのでしょうか?
医療保険から介護保険への移行推進が根本?
医療保険でリハビリができないということは、介護保険の認定を受けている方で、維持期リハビリテーションを目的に外来(通院)に来られている患者さんは病院での外来リハビリを受けれなくなります。また、介護保険の認定を受けている入院中の患者さんは、入院中はリハビリを受けれない。ということになります。おそらく、国としては、介護保険の認定がおりているならば、介護保険を使ってください。その介護保険を使い、介護施設に移るか、在宅に帰るのなら、介護サービスを使って下さい。病院には掛からずに、通所リハビリやデイサービス、訪問リハビリを使って下さい。つまり、早い話が病院に掛かる時間を減らし、病院から離れなさい。ということなのでしょう。医療保険の負担を減らし、介護保険への移行をもっと進めたい。という意向が表れている気がします。
介護保険申請のタイミングは専門職への相談が大事
では、そんなに簡単に介護施設に移れるのでしょうか? もしくは、在宅復帰できるのでしょうか? 特別養護老人ホームを含め、各介護施設は空きを待つお話をよく伺いますし、在宅復帰も家族支援を含め、多くの環境設定を要します。無論、できるだけ在宅復帰を中心とした支援をする必要があるのですが、全ての人がそういった環境に移行できるわけではなく、さまざまな事情で難しい方も多数いらっしゃるのです。こういった制度は非常に分かりづらく、特に高齢の家族が入院した場合等には、「介護保険申請を早めにして、次に備えなくては」と、考えがちですが、今現在、平成26年度から予定されているこの状況を考えると、介護保険認定は、医療機関側と予後や今後の情報共有をした上で申請しないと、リハビリ難民になる可能性もあります。
今のところまだ、確実な確定事項ではありませんが、維持期リハビリテーションに移行されている方、もしくは今後、移行予定の方やそのご家族は、介護保険認定申請のタイミングについて、こういったリハビリテーションに関わる事もソーシャルワーカーやケアマネージャーに、ご確認の上で、申請する事をおすすめします。