運動と健康/リハビリ・介護予防

診療報酬改定で維持期リハビリが受けられなくなる?

入院をしたらリハビリはずっと受けられる?残念ながらそうではありません。病院でのリハビリテーションには一定の制限が存在します。また、医療機関の治療費などを決める、平成26年度の診療報酬改定を控えていますが、前回、平成24年度の診療報酬改定時に病院でのリハビリテーションを受ける方に、支障が出る文言が入りました。これをどれだけの方が知っているのでしょうか?

野田 卓也

執筆者:野田 卓也

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平成24年度診療報酬改定により決まった、維持期リハビリテーションにおける介護保険認定問題

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病院でリハビリテーションを受ける。病気になったり、骨折等をしたりすればよく聞く話です。しかし、リハビリをいつまでも無制限に受けることはできません。加えて、さらなる制限が始まる可能性があります。

平成24年度の診療報酬改定時に維持期リハビリテーションについて、以下の文言が入りました。「平成26年4月からは、要介護被保険者等については維持期リハビリは医療保険では算定出来ない」この文言に多くの患者、その家族、リハビリテーション関係者が驚きました。では、何が問題なのでしょう? 病院でのリハビリテーションに何が起きようとしているのでしょうか?

病院のリハビリテーション実施期間

現在、病院でのリハビリテーションは、それぞれ発症した疾患の分類に応じて、リハビリテーションを集中的に受けられる期間と言うのが決まっています。(例外も有)
  • 脳血管疾患等リハビリテーション……医師の診断(発症or手術or急性憎悪)から180日
  • 運動器リハビリテーション……医師の診断(発症or手術or急性憎悪)から150日
  • 心大血管疾患リハビリテーション……医師の診断から150日
  • 呼吸器リハビリテーション……医師の診断から90日
この日数を過ぎ上記の日数を超えてリハビリを継続する場合、ひと月に13単位(1単位20分)までとなっています。 疾患や病状によってそれ以上のリハビリを受けられますが、そのためにはいくつかの条件を満たすことが必要となります。

では、その条件である「リハビリテーション対象疾患規定」について続けて見ていきましょう。

リハビリテーション対象疾患規定

別表第九の八 (算定日数の上限の除外対象患者)
  1. 失語症、失認及び失行症の患者
  2. 高次脳機能障害の患者
  3. 重度の頸髄損傷の患者
  4. 頭部外傷及び多部位外傷の患者
  5. 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者
  6. 心筋梗塞・狭心症の患者
  7. 回復期リハビリテーション病棟入院料を算定する患者
  8. 難病患者リハビリテーション料に規定する患者 (先天性又は進行性の神経・筋疾患の者を除く)
  9. 障害児(者)リハビリテーション料に規定する患者(加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病の者に限る )

別表第九の八 二号

  1. 先天性又は進行性神経・筋疾患の患者
  2. 障害児(者)リハビリ料に規定する患者(加齢に起因する疾病の者を除く)※脳性麻痺、二分脊椎、自閉症、先天性の奇形又は変形の患者等

上記に該当し、別表第九の八では、リハビリを継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断される場合。また、別表第九の八 二号では、リハビリを継続することが治療上有効であると医学的に判断される場合に、継続したリハビリテーションが可能となります。

では、これに該当しない方はどうなるのでしょうか?そういった方々が、受けるのが、ひと月に13単位(1単位20分)とされる維持期リハビリテーションです。
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