世界遺産/アジアの世界遺産

古都ビガン/フィリピン(4ページ目)

東アジア貿易の拠点としてスペイン人が築いた植民都市ビガン。スペインのコロニアル建築をベースに、先住民イロカノ人の木造家屋や中国商人がもたらした瓦を合わせて築いた美しい街並みは、大航海時代の思い出を当時のままに伝えている。この街は太平洋戦争末期、日本軍によって破壊命令が下されたが、ひとりの日本人の決意によって救われた。今回は種々の逸話が残る世界遺産「古都ビガン」を紹介する。

長谷川 大

執筆者:長谷川 大

世界遺産ガイド

古都ビガンへの道

クリソロゴ通り

こちらもクリソロゴ通り。フィリピンにはこのような街並みが他にもあったが、多くは太平洋戦争で失われてしまった

■エアー&ツアー情報
コロニアル時代の家屋

コロニアル時代の家屋

フィリピン・ルソン島の玄関口は首都マニラ。マニラへは成田、中部、関空から直行便が出ているほか、台湾や香港等を経由するさまざまな便がある。格安航空券やLCCで2~3万円前後から。

ビガンは直線距離でマニラの北約340kmにあり、バスで10~12時間ほど。ビガン近郊の都市ラワグに空港があるので、マニラから国内線を利用することもできる。ラワグ~ビガンはバスで1時間半~2時間程度。

 

■周辺の世界遺産
パオアイのサン・オウガスチン教会

パオアイのサン・オウガスチン教会

ルソン島には、「古都ビガン」「コルディリェーラの棚田群/フィリピン」「フィリピンのバロック様式教会群」という3つの世界遺産がある。

コルディリェーラの棚田群/フィリピン」の起点都市バナウェはマニラからバスで8~10時間ほど。詳細は記事を参照してほしい。バスでバナウェからビガンに向かう場合は、バナウェ→バギオ→ビガンとたどるのが一般的。トータル15時間以上は必要だ。

「フィリピンのバロック様式教会群」の構成資産は4つで、そのうち3つ、マニラのサン・オウガスチン教会、パオアイのサン・オウガスチン教会、サンタ・マリアのアスンシオン教会がルソン島にある。パオアイとサンタ・マリアはビガンに近く、それぞれバスで1~2時間程度(方向は別)。

 

古都ビガンのベストシーズン

ジプニー

フィリピンの名物、乗り合いバス=ジプニー。銀色の車体とド派手なイラストが目を引く

ビガンの夏の平均最高気温は約34度、平均最低気温は約25度、冬の平均最高気温は約29度、平均最低気温が約20度。20度を割ることはあまりなく、一年を通じて非常に温暖だ。

雨季は5~9月で、特に7~9月がピークとなる。台風シーズンでもあり、直撃を受けると道路が寸断されることもある。特に短期旅行者は避けたい季節だ。

世界遺産基本データ&リンク

クリソロゴ通り

クリソロゴ通り。通りの周囲に多数のホテルがあり、世界遺産の中に宿泊することもできる

クリソロゴ通りの夜景

クリソロゴ通りの夜景

【世界遺産基本データ】
登録名称:古都ビガン
Historic Town of Vigan
国名:フィリピン共和国
登録年と登録基準:1999年、文化遺産(ii)(iv)

【関連記事&サイト】
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます