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祝・三陽山長二子玉川店リニューアル 前編(2ページ目)

首都圏の第三山の手の中心地であると共に第四山の手の玄関口でもある街・二子玉川。ここに三陽山長のお店ができて10年たったのを機に、大規模なリニューアルが行われました。改装後の店舗の雰囲気と、同ブランドの今季の話題作を前編・後編の2回に分けてご紹介します!

飯野 高広

執筆者:飯野 高広

靴ガイド

鋭敏で引き締まった印象!

技之介

2013年秋冬の三陽山長のフラッグシップモデルの一つ「技之介」です。引き締まった顔立ちは優れた、もちろん技術とアッパーの革質との相乗効果。底付け:グッドイヤー・ウェルテッド。アッパー:黒(イタリアンカーフ)。底:レザーソール。サイズ:61/2~9。税込み価格:8万9250円(三陽山長 二子玉川店 TEL:03-5491-2347)

銀座店と同様にこのブランドのフルラインナップが揃う三陽山長の二子玉川店。場所柄レザースニーカーのようなカジュアルなものも良く売れるようですが(これもまたなかなか良い靴なのです!)、やっぱり最初に語るべきは日本のドレスシューズの製造技術の粋を集めたものですよね。と言う事でトップバッターは上の写真の内羽根式プレーントウ「技之介」。木型は人気がすっかり定着した、ややロングノーズのスクエアトウ「R309」を採用しています。

写真では少し解り難いのですが、この靴のつま先にはメダリオンが付いています。それにもかかわらず普通のプレーントウ以上に凛々しく見えるのは、パターンの切替し部の縫い目に縫い糸が露出しない、いわゆる「レベルソ」仕様を採用しているからでしょう。何気なくやっているように見えますが、これを直線部だけでなく曲線部の縫い目にも施すのは、相当至難の業の筈。アッパーを縫う技術が優れているばかりでなく、そこに用いている革が良質でないと到底不可能な意匠だからです。色展開を柔らかさと艶の良さで定評のあるイタリアンカーフの黒のみに限定しているのが、量産が効かない何よりもの証拠です。

「いや、やっぱり茶系の靴が欲しい……」とおっしゃる方には、下の写真にあるクオーターブローグ「舞之介」はいかがでしょうか? 木型は上の「技之介」と同じ「R309」で、ホールカットすなわち一枚革のアッパーにブローギングを直接施した、こちらもシンプルながら技術力が無いと不可能な作品です。「R309」は三陽山長の現行の木型の中では現代的なシェイプを有しているので、この2つのモデルのように革の「厚み」とか「重量感」みたいなものをあまり感じさせないデザインの方が、確かにカッコ良く仕上がる気がします。
舞之介

同じくR309木型を用いた「舞之介」です。この木型はホールカットの意匠と相性が非常に良のでは? 多くのビジネスマンの支持があるのも頷けます。底付け:グッドイヤー・ウェルテッド。アッパー:黒・焦げ茶(共にカーフ)。底:レザーソール。サイズ:61/2~9。税込み価格:7万350円(三陽山長 二子玉川店 TEL:03-5491-2347)

この「R309」木型を用いた作品は、二子玉川店では主に20代終わりから30代の、言わば働き盛りのビジネスマンの方の支持が非常に高いとのこと。因みにこのお店で初めて買われた靴が茶系の方の割合も、この10年で銀座店より遥かに高くなっているそうで、どちらの事実も首都圏でも洗練度の高さを誇る田園都市線沿線らしいところではないでしょうか。とは言え三陽山長と言えば、古典美に満ちた靴や素朴な印象のものだって当然、得意ですよ! そちらについては後編でまとめてご紹介申し上げましょうか。

【店舗紹介】
三陽山長 二子玉川店
住所:東京都世田谷区玉川3-17-1 玉川高島屋S・C 南館5F
TEL:03-5491-2347
営業時間:10:00~21:00
休館日:1月1日
HP:http://www.sanyoyamacho.com/

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