その日に起こった出来事は?――精緻化の活用
結婚式を挙げた場所は?
具体的には、覚えておきたい大切な日に起こった出来事を調べて一緒に覚えてしまうのです。
「え? ただでさえ忘れてしまうのに、覚えることが増えたらもっと大変ですよ」
そんなふうに思う人もいるかもしれませんが、実はこれは「くり返し」と並ぶ、記憶しやすくする二大原則の一つなのです。
その原理とは「精緻化(せいちか)」。覚えたい事項の関連する他の知識と結びつけたり、構造を理解したりすることです。単にくり返すだけでなく、だんだんと「精緻化」しながらくり返したほうが忘れにくいことがわかっています。
ある日に起こった出来事を調べるのは、インターネットを使えば簡単です。
たとえば、ネット上の百科事典である「ウィキペディア」で日付を入れれば、その日に起こった歴史上の出来事やその日に生まれた有名人などをすぐ調べることができます。
「自分たちの結婚記念日は□□が起こった日でもあるんだ」と知ることで、「○月○日」に関連する情報が増え、「精緻化」していきます。それによって、忘れにくくなるというわけです。
結婚式の感動と結びつける――イメージの活用
最後に紹介する方法は、単に日付だけを記憶するというのではなく、そもそもの出来事を強く記憶し、その日付も忘れないようにする方法です。たとえば、結婚記念日であれば、あなたの結婚式や当日の様子をありありと思い出し、その記憶に日付も埋め込むのです。
結婚式など、あなたが覚えたい日にあった出来事を思い出してみてください。そこでは何が見えるでしょう? そこで見えていた風景、人などを思い出していきましょう。
また、どんな声や音が聞こえるでしょう? あなたのパートナーの声、もしくは自分自身の声かもしれません。また、家族や友人の喜びの声かもしれません。思い出してみてください。
こうやって思い出しながら、あなた自身がその出来事の中に今まさにいると思ってください。何か映画を観るように思い出すのではなく、あなた自身が映画に出演しているかのように思い出すのです。
そうすると、そのときの気持ち・感情や身体の感覚がよみがえってくるでしょう。どんな姿勢でいたのでしょう? どんな動きをしていたのでしょう。そしてどんな気持ちだったのでしょう? そんなことも思い出してみください。
そうやって思い出しながら、その日付が壁に大きく書かれているイメージを想像してもいいですし、日付を読み上げる声が聞こえていることを想像してもいいでしょう。
記憶は感情の振れ幅といったインパクトが強いほど残りやすくなるので、こうやってありありとしたイメージで気持ちも伴った記憶と一緒であれば、日付も忘れにくくなるのです。
ぜひ、ここで紹介した方法を活用して、あなたとパートナーにとっての大事な日を忘れずに、その日を大切に過ごしてください。