大阪に超新星フレンチ「アニエルドール」、誕生
アニエルドールの外観
フランスの南西部、スペインとの国境に近いフレンチバスク地方の山の中にポー(Pau)という町があります。ノルマンディーの一つ星レストランで少し働いたあと、日本人観光客にはほとんど知られていないこの山バスクの町の地産地消レストランを選んで本格的な本場修業を始めた大阪出身の一人の料理人がいました。
その後リヨンに移動し、リヨンで3店目に当たるレストランではシェフを任せられるまでになったにも関わらず、日本人として日本の人達に自分の料理を食べてもらって勝負したい! との思いを捨て難く、約4年間のフランス修業を切り上げて今年2013年2月に帰国。この8月8日にうつぼ公園の南に御自身の店「
アニエルドール(Agnel d'or)」を開店されたのです。そのシェフこそ今回ご紹介する藤田晃成さん、当年取って32歳です。
「アニエルドール(Agnel d'or)」とは13~15世紀に発行された貴重なフランスの中 世金貨の名前。
リヨンにおられた2年半の間には、まず2004年のMOF(国家最優秀職人賞)に輝くジョセフ ヴィオラ(Joseph Viola)氏の元で学び、次にジビエ料理で名高いマガリ エ マルタン(Magali et Martain)に移り、最後はアルカンジュ(ARCHANGE)のシェフとして1年半務め上げ、「才能ある日本人シェフが作る最高の店の一つ」と地元で評判になったほどです。
アニエルドールの店内
お店は地下鉄阿波座駅からは北東へ5分ほどですが、靭公園の西園から南へ下ると、本町通りを渡った右手に横長のガラス窓がすっきりとモダンな一見カフェ風の店が見つかります。左手にある天井にまで届くドアを開けて中に入ると、壁に木の板を張ったアプローチがぬくもりを感じさせ、アプローチを抜けた右手が淡いクリーム色の塗壁に明るいグレイッシュベージュの床のダイニングスペース。
壁際のベージュのソファ席は背もたれが高く、真っ先に座りたくなりますね。 店の一番奥には中央に大きなアイランドキッチンが置かれ、ダウンライトに照らされて浮かび上がるその姿は、シェフが最後の仕上げを演じる舞台のようです。
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