のどかな村で稼働し続ける、歴史あるイッタラガラスの工場
ひなびた村の一角で今なお現役稼働しているイッタラ社の工場。イッタラという社名はこの村の名前が冠してある
イッタラ(iittala/イーッタラ)といえば、日本でも続々店舗を増やし大人気の、フィンランドを代表するガラスデザインブランド。食器類を始め、キャンドルホルダーや花瓶、アート作品まで、色とりどりで洗練されたデザインを誇りとする、高品質なガラス製品を作り続けています。
工場には、おなじみの赤丸にiの文字が象られたイッタラのロゴと、工場開設年である1881の数字が
実はこのブランド名は、ヘルシンキから120キロほど北上したところにある小さな村の名前から来ています。というのも、1881年、このイッタラ村(現在はハメーンリンナ市の一部)に、会社のガラス工場が造られ、稼働を始めたから。イッタラ村の工場はもちろん今でも現役で、市場に出回っているガラス製品の多くは、この村の工場で生産されたものなのです。当初は薬瓶やガラスランプなどを製造していましたが、1930年代ごろから、国民的建築家として知られるアルヴァ・アールトやその妻アイノらが優れたガラスデザインを提供するようになり、以後、時代を超えて愛され続ける名シリーズが次々に生み出されています。
工場敷地内には、失敗作などのガラスの破片の山が。ファンならこれさえも垂涎もの?
ところでこのガラス工場は、今日では一般人の見学が可能な施設となっています(要予約)。さらに、工場の周辺はラシマキ(Lasimäki/ガラスの丘)と呼ばれる工房村として賑わっており、イッタラ社のアウトレットショップやミュージアム、カフェ、その他の手工芸職人の工房などが軒を連ねています。最寄り駅まではヘルシンキから電車で片道1時間30分とアクセスも良いので、イッタラファンならぜひとも、日帰りでイッタラ村のラシマキへと足を伸ばしてみるのも良いのではないでしょうか。
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のどかな無人駅のIittala駅
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Iittalan Lasimäki(イーッタラン・ラシマキ/イッタラ・ガラスの丘)(フィンランド語のみ)
住所:Könnölänmäentie, 14500 Iittala
TEL:+358 204 39 6230
アクセス:ヘルシンキ中央駅からタンペレ行きの近郊列車に乗りIittala駅まで1時間30分、駅から敷地内まで徒歩約15分
開館時間・休業日:施設による。工場見学は予約制
入場料:無料だが、ミュージアム入場料や工場見学料は別途
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