ドキュメンタリータッチで高校生の姿を追った 『青春デンデケデケデケ』
■監督大林宣彦
■主演
林泰文、大森嘉之、浅野忠信、永堀剛敏
■DVD発売元
ジェネオン エンタテインメント
■おすすめの理由
芦原すなおの直木賞受賞小説を大林宣彦監督が映画化しました。
今回の舞台は、大林監督が得意とする地元・尾道ではなく、1960年代の香川県観音寺です。
ベンチャーズの「パイプライン」(サビの部分が”デンデケデケデケ”と聴こえる)に感化されてバンドを組んだ4人の高校生(林泰文、大森嘉之、浅野忠信、永堀剛敏)のロックに明け暮れる高校生活を描きます。
大林監督は、くすんだ色調の画面、手持ちカメラでの撮影を多用した揺れや移動を生かして、ドキュメンタリータッチで彼らの姿を追います。
彼らを極普通に描いたからこそ、この映画は時代を超えた青春映画の名作足り得たのです。
クライマックスは町の皆が集う学園祭での演奏会。
そして彼らにも、卒業、別れ、青春の終わりが訪れます。
見終わった後で、もう一度高校生活をやり直したくなるような、楽しくて、ちょっと切ない、すてきな映画です。
全編を彩る当時のヒット曲に加えて、久石譲の音楽も印象に残ります。
特にメインテーマ曲の「青春のモニュメント」が涙ものです。