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子供は親が心配してるほどヤワじゃない「静かな生活」

『静かな生活』は、原作者大江健三郎が実生活で息子、大江光が知的障害をもって生まれてからの苦悩などを描いた連作短編集です。言葉の世界を拒否していた息子でしたが、鳥の声によって絶対音感を育むことに。大江光本人が音楽監督を担当し、日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞しました。

投稿記事

大江健三郎と息子の苦悩などを描いた連作短編集

 

 

■作品名
静かな生活 (1995) 

■監督

伊丹十三

■原作
大江健三郎 『静かな生活』

■出演
山崎努(パパ)、渡部篤郎(イーヨー)、佐伯日菜子(マーちゃん)

■DVD/Blu-ray販売元
東宝

■おすすめのポイント

『静かな生活』は、原作者大江健三郎が、実生活で息子、大江光が知的障害をもって生まれてからの苦悩などを描いた連作短編集です。"A Personal Matter"の題で英訳され、『万延元年のフットボール』などの作品と共にノーベル文学賞を受賞することになります。映画化された『静かな生活』の登場人物イーヨーは大江光本人で音楽監督を担当し、日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞しました。

イーヨーは知的障害を持って産れ、言葉が遅く、母親の言葉にも反応しない子供でした。そんな子供に親が与えたのは野鳥の声と名前が録音されたレコード。イーヨーはそれをずっと聴いて、鳥たちの世界にとっぷり漬かって育ちました。6歳の夏、初めて発した言葉が別荘の森で父が聞いた「クイナです!」の声でした。鳥の世界から戻って来て、親としての心配事がひとつ解決しました。

幼い子が、しかも言葉の世界を拒否していたイーヨーが鳥の声を聴き分けたことも素晴らしいですが、鳥の声の中で育って来た体験によって、絶対音感を育み、音楽の才能を芽吹かせる要因になったのだろう想像できます。

イーヨーの4つ離れた妹、マーちゃんは、小さなころから純粋なイーヨーとともに暮らし、姉のように面倒を見てきて、周囲から相当な人物だと言われて育ちました。父親の書いた小説の出だしの文章『人は人の道具ではない』に触れ、越し方行く末を思うのでした。

親の姿を横目で見つつ、子どもは力強く生きています。

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