アメリカでは“独り勝ち”の様相に

テスラモデルS

ボディサイズは全長4978mm×全幅1964mm×全高1435mm、ホイールベースは2959mm。車両重量は2108kg。アルミ製ボディにより軽量化が図られた。バッテリーは床下に、モーターは後輪の間に配置される

9/6号でお伝えした“夏のモントレー”見聞記。ボクは前後あわせて一週間ほどカリフォルニアに滞在したのだけれど、クラシック&スーパーカー以外に目立っていたのが、街を走るモデルSの多さだった。特に。モントレーののち訪れた“ソーカル”あたりの裕福な街、たとえばニューポートビーチ、では、本当によく見かけた。

もちろん、デザイン的に目立つ、ということもあるのだろう。ちょっと大柄なセダン、なのに、極めて流麗。アメリカ版ジャガー的なユニークさが目を引くことは間違いない。しかし、だ。それを勘定に入れても、本当に沢山のモデルSを見かけた。

つまり。よく売れているのだ。

理由は簡単。内外装ともに格好いい最新のEVで、価格もカリフォルニアのガレージ付き邸宅に住まう人には“手頃”な10万ドル以下だから、である。

ちなみに、モデルSの米国市場における価格は、電池容量(=航続距離)に応じて、5万ドル強~9万ドル弱という価格帯が充てられていたが、最も安い40kWhモデル(航続距離およそ250km)を購入した人はほとんどおらず、その生産をとりやめて、60kWh(約370km)と85kWh(約480km)の2仕様に“合理化”した。このあたりの決断の早さも、既存の自動車メーカーとは“違う”スタイルで、なるほど“スピーディ”であり、IR的にも有効だ。

EVでは“独り勝ち”の様相である。それが証拠に、テスラ・モータースは今年の第一四半期に目標台数の4500台をあっさり上回るセールスを記録。第二四半期になってもその勢いは衰えるどころか増す一方で、販売台数はついに5150台となり、アメリカ政府エネルギー省からの融資も9年前倒しで完済した。

もちろん、株価もうなぎ上り。今年に入って、実に3.5倍。その絶好調さが、“ソーカル”でよく見かけたモデルS現象、の正体というわけなのだった。

先だって、そんなモデルSの好調さに拍車をかける発表もあった。NHTSA(米高速交通安全局)が実施した車両安全テストで、全カテゴリー五つ星、なかには五つ星以上の得点も、という過去最高の好成績を収めたのだった。強固で軽量なアルミニウムボディ構造と、フロントにエンジンがないことによるクラッシャブルゾーンの有効性が、その大きな要因であろう。衝撃によるバッテリーへの影響もほとんどなかったらしい。

コンシュマーリポートでも、100点満点の99点という史上タイの高得点をマークしている(ちなみにタイ記録保持車はレクサスLS460Lだ)。

テスラモデルS

高性能ドライブインバーターを備える上級モデルのパフォーマンスもラインナップ。0-100km/h加速はベーシックモデルが5.9秒、パフォーマンスが4.4秒。前後重量配分は48:52

そんなテスラモデルS。全長が5m近く、幅も2mを超えるとあって、日本では大型の部類に入るRRのハッチバックサルーンである。本国ではそのパッケージ自由度を活かした3列シート7人乗り(3列目が後を向くタイプ)でサッカーマム需要も満たすが、日本では法規上、5人乗りである。

日本でも予約販売は始まっており、販売価格が決まっていないうちから既に予注が毎日ゾクゾク入っているというから、驚く。来春から日本でのデリバリーがはじまる予定。予想では、1000万円を下回る価格スタートが期待されているが……。