税金/個人事業者の税金

消費増税の影響を受けない小規模事業者とは(2ページ目)

消費税では個人事業主の場合、前々年の課税売上高や前年の上半期の課税売上高や人件費で納義務者か免税事業者か決まります。したがって、免税事業者に該当する年商1000万円未満の小規模事業者であれば影響を受ける可能性は少ないのです。まずはきちんと免税事業者であるかどうかを判定しましょう。

田中 卓也

執筆者:田中 卓也

税金ガイド

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納税義務の判定を特定期間で行う方法

納税義務者になるか?ならないか?の判定を個人の場合は前々年、(法人の場合は前々事業年度)で行う方法に、平成23年6月の税制改正により個人の場合は前年、(法人の場合は前事業年度)で行う方法が加わりました、その基準とは
  • 特定期間における課税売上高が1000万円を超えたことにより課税事業者となる事業者
  • 給与等支払額の合計額が1000万円を超えたことにより課税事業者となる事業者
の2点です。
この場合の特定期間とは
  • 個人事業者の場合はその年の前年の1月1日から6月30日までの期間
  • 法人の場合は、原則として、その事業年度の前事業年度開始の日以後6か月の期間
とされていますので、前年(もしくは前事業年度)の上半期が基準となるとおさえておくといいでしょう。
特定期間の納税義務判定図解イメージ図(筆者作成)

特定期間の納税義務判定図解イメージ図(筆者作成)


この改正は、平成25年1月1日以後に開始する事業年度から適用されますので、個人事業主の場合、平成26年3月期の確定申告において注意しなくてはいけない改正点のひとつです。

免税事業者だと消費税を付加してはいけないのか

したがって、現在、進行中の事業年度が消費税の納税義務者であるかどうかの結果はもう出ているのです。しかしここで「消費税の免税事業者は消費税を付加した取引をしてはいけないのか」という点については、現行、消費税法上、制約はありません。

消費税法上、該当取引が課税取引か否かを判定する基準は別にあり、
  • 国内取引であること
  • 事業者が事業として行うものであること
  • 対価を得て行う取引であること
  • 資産の譲渡、資産の貸付、役務の提供であること
の4要件を満たし、非課税取引に該当しなければ、原則、消費税法上の課税取引に該当するので、消費税を付加する、付加していないに関わらず消費税を含んだ取引として処理されることになっているのです。

小規模事業者でも課税取引なら、いまからきちっと消費税を

現在は消費税率5%ですが、近い将来これが10%になることが予定されています。その時になって消費税率5%だった時は免税事業者だったものが、消費税率10%になったときに課税事業者になったからといっていきなり10%付加した請求書を送るなどということはトラブルの元になることが予想されます。

消費税率5%のときから「別途、消費税は付加させていただきます」という周知徹底をお願いしておくことは、今後の税率アップに備えて大切なポイントです。
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