陰陽五行における身体の不調の原因
東洋医学における身体の不調はこうした陰陽五行の乱れによるものですが、その乱れの原因は- 「外因」
- 「内因」
- 「不内外因(ふないがいいん)」
「外因」は季節による暑さや寒さ、乾燥などの気候による原因とされ、そのなかのひとつである「風」によって引き起こされる不調は現代日本でも使われる「風邪」の語源となっています。
「内因」は自らの感情が急激に変化したときや、ある感情が長時間続いた時に陰陽五行のバランスを欠き、原因となった感情に対応する臓器や体表に不調を引き起こすと言われています。
現代社会ではストレスが様々な症状の原因となりうる可能性があるとされていますが、東洋医学の世界でははるか昔からそのように考えられていたのです。
「不内外因」は外因・内因どちらにもあてはまらない原因で起こる身体の不調を表し、その原因は食生活の乱れや心身の疲労などといった生活習慣の乱れが原因で起こるとされます。こうした疾患の成り立ちについても、西洋医学が完成されるはるか昔から東洋医学においては語られていたのです。
現代に通じる陰陽五行思想を知ることで
ツボへの理解を深める
さて、東洋医学の持つ自然哲学思想について解説してきましたが、こうした人間の身体や取り巻く環境すなわち世界に対する考え方を「陰陽五行思想」と呼び、古代中国の春秋戦国時代頃つまり3000年近く以前に発展したとされています。自然哲学的な観点で人を捉える東洋医学では、身体の不調は陰と陽のバランスの崩れや五行のサイクルの乱れによるため、全身の状態を考えることを重視します。これは、病名や診断名に注目してしまいがちな西洋医学よりも全人的健康に目を向けていると言えるかもしれません。
陰陽五行思想は長い時を経ても現代日本の文化のなかに息づいていることを感じますし、現代において言われる病気の発生する原因などと一致する部分がとても多いことに気づかされます。
また、こうした陰陽五行の世界観を知ることで身体の状態にあわせてどこのツボを刺激すれば良いのかが感覚的にも理解しやすくなることと思います。