一口に「空手」と言っても様々な流派・団体があります。大きく分けると、組手を寸止めで行う「伝統派空手」と実際に相手に技を当て合う「フルコンタクト空手」に二分されます。人によって向いている・向いていない等あると思いますので、それぞれのポイントを紹介していきます。
極真会館 本部直轄松戸道場
伝統派空手か? フルコンタクト空手か?
空手を始めたいけど痛いのはイヤ! という方は、技を当てない伝統派空手の方がいいでしょう。しかし、試合を見ていると寸止めとはいえ当たる場合もありますし、稽古の中では痛い・苦しいこともあると思いますので、その辺は覚悟をもって入門しましょう!ちなみに国体(国民体育大会)の競技となっているのも伝統派空手になります。高校や大学の部活動で行われているのも伝統派空手が一般的ですので、国体出場を目指す方や高校・大学の空手部で活躍したい方は伝統派空手を選んだ方がいいでしょう。
実際に相手と技を当て合う組手をやってみたい! どつきあいに強くなりたい! という方は、フルコンタクト空手がお勧めです。やっていくうちに、組手の虜になるでしょう(笑)。
「お子様に礼儀作法を身に着けさせるため」であれば、どちらも良いと思います。空手以外の武道でも、先輩・後輩、先生と生徒の間でしっかりと礼儀作法を教えて頂けると思います。
子供・大人に関わらず、「体力を付ける」「加齢に負けず体力を維持する」については、どちらも稽古内で体力が付けられると思いますが、それ以上を望むのであれば稽古以外でのご自分の努力が必要になってきます。
この場合も、伝統派でもフルコンタクトでも良いと思いますが、フルコンタクト空手の方が、実際に相手に技を当てる競技特性から筋力トレーニングに力を入れています。
フルコンタクト空手の源流である極真会館の創始者大山倍達は、戦後の早い段階からウェイトトレーニングを取り入れていましたので、極真会館の常設道場にはフリーウェイト(バーベルやダンベル)の器具が一通り揃っている道場が多いです。選手出身の指導者の方であればトレーニング方法にも詳しい方が多いと思いますので、筋力トレーニングにも力を入れたい方にはおすすめです。
道場を選ぶポイント
せっかく入門したのであれば、同じ流派で長く続けた方が良いでしょう。仕事上で転勤が多い方、お子様の場合も親御さんの転勤で引っ越しの可能性があるのであれば、町の小さな道場より全国規模の大きな団体に入る方がお勧めです。これは私も会社員時代に転勤により4回支部を変わりましたが、幸い「極真会館」という最も大きな団体であったため、転居先に必ず同じ極真の道場があり、道場を移籍して現在まで続けられました。
もし転居先に同じ団体の道場がなかったら、おそらく空手を辞めていたでしょう。せっかくとった段位や級位も他団体に再入門すれば白帯からやり直さなければならないですし、道着も流派名の刺繍が変わるため買い直さなければならず、入会金等も再度発生してきます。
私も4支部を渡り歩きましたが、移籍するごとにその土地の仲間が増え、全日本大会や世界大会といった大きな大会に行くと昔の道場生たちと再会して同窓会的に盛り上がれたりと、大きな団体ならではのメリットは多数あります。
道場は、常設道場のところと体育館や武道館を借りて使用しているところがありますが、できれば常設道場の方が稽古しやすいと思います。みんなで稽古した後に自主稽古をやるにしても、体育館等では使用時間が決まっているので、稽古終了後にすぐ退出しなければならないところが多いです。
また、指導者の技を手本として稽古することを考えると、指導者の技術レベルも重要です。素人が判断しづらい部分もありますので、一つの基準として指導者が黒帯(有段者)かどうかもポイントだと思います。
選手として活躍したいという方は、その道場・支部の所属選手がどのレベルの大会に出場しているかも分かると良いと思います。全日本大会・世界大会に出場する選手が多数いるハイレベルな道場の方が、強くなるためのノウハウが詰まっていると思われますし、単純に強い選手たちのなかで揉まれていくことが競技で強くなるための近道でもあるので、道場のホームページなどで確認してみると良いと思います。
いろいろなポイントがありますが、長く続けるためには家や学校・職場から近いということも大事です。生活エリアから離れた道場では、あとあと通うのが億劫になってきますので、生活圏内にある道場を選んだ方が良いでしょう。
この様な点を踏まえ、まずはお近くの道場に見学に行ってみて、道場の雰囲気等も実際に見てから最終的に決めるのが良いと思います。ぜひ、自分に合った道場を見つけて、空手ライフを楽しんでください!