日本酒/おすすめの日本酒

2020年東京五輪開催決定! 東京の地酒ベスト5!(2ページ目)

2020年東京夏季五輪の開催が決定した。開催前後にはたくさんの国内外からの関係者、観光客が訪れるだろう。その時にお勧めしたい「東京の地酒」を知って、訪れる人たちに上手に提供したいもの。それこそがきっと東京人、日本人ならではの「おもてなし」になるはずだから。

友田 晶子

執筆者:友田 晶子

日本酒・焼酎ガイド

3位 多摩自慢/石川酒造(福生市)

一番地

「一番地」のデザインは外国人好み。

福生といえば在日アメリカ空軍横田基地があり、アメリカンナイズされた場所といったイメージが強い。しかし、江戸時代初期には旗本領と幕領があり、清らかな水と良質の米がとれる豊かな農産地であった。そのころの面影がいまも残るのは、石川酒造の敷地にあるみごとな白壁の蔵だ。福生市熊川に位置する石川酒造の敷地中心には蔵に囲まれるようにそびえる樹齢400年の二本の欅があり、根元には米の神様大黒天と水の神様弁財天が祭られている。酒の源である米と水への思いが伝わる。 

酒造業は文久三年(1863年)から。明治十三年に建てられたこの本蔵で本格的な酒造りを開始した。地下水は秩父多摩の地下水。清酒以外にも美味しい水を使った地ビール「多摩の恵」や出来立てビールが楽しめる酒蔵レストラン(夏はビヤガーデンになる)、手打ちそばと酒のつまみにピッタリの和食を提供する「雑蔵」も併設している。

お勧め銘柄は「多摩自慢 熊川一番地」はどうだろう。あっさりと軽快な純米酒で冷酒でもお燗でもいける。滑らかな辛口で後味には米の旨味が感じられる。

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2位 金婚正宗/豊島屋酒造(東村山市)

十右衛門

冷酒もいいけどお燗もいい。ヌル燗のおいしさを知ってもらいたい。

現在、酒造場があるのは東村山市だが、豊島屋の発祥は、江戸は神田だ、べらぼうめぃ。今から400年前。慶長元年(1596年)、神田橋で初代豊島屋十右衛門が酒屋兼一杯飲み屋を始めた。当時、徳川家康が江戸に入城しそれを機に城の普請が必要となった。それに応じて、職人や武士、商人らが全国から集まり江戸の町は大賑わい。とくに神田橋付近は水運の要所でもあり活気を呈していた。商いのセンスがあった十右衛門は上方から運ばれてくる「下り酒」と、それに合う田楽をつまみとして提供し、安くて旨いと江戸中で評判になったとさ。

十右衛門さん、ある夜、夢枕にお雛様がたち「白酒」の造り方を伝授してくれた。これをもとに白酒を製造販売したら売れる売れる。その繁盛ぶりは天保七年(1836年)に描かれた「江戸名所図会」(長谷川雪旦)をはじめ「絵本江戸土産」「狂歌江都名所図会」(安藤広重)に克明に残されている。

自ら酒造りを行ったのは明治時代12代当主のころから。ブランド名は「金婚正宗」。そのころの風情を感じたければ「鬼平犯科帳」(池波正太郎)や「鎌倉河岸捕物控」(佐伯泰英)に詳しい。また、この歴史ある清酒は、明治神宮、神田明神、日枝神社に御神酒として納められている。さすが東京の酒である。

お試し銘柄は「純米無濾過原酒 十右衛門」。原酒らしいしっかり骨太の味わいがあり落ち着いた旨味がある。同じ銘柄で「生」もあり、こちらはよりフレッシュで華やかな印象。

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