3位 多摩自慢/石川酒造(福生市)
「一番地」のデザインは外国人好み。
酒造業は文久三年(1863年)から。明治十三年に建てられたこの本蔵で本格的な酒造りを開始した。地下水は秩父多摩の地下水。清酒以外にも美味しい水を使った地ビール「多摩の恵」や出来立てビールが楽しめる酒蔵レストラン(夏はビヤガーデンになる)、手打ちそばと酒のつまみにピッタリの和食を提供する「雑蔵」も併設している。
お勧め銘柄は「多摩自慢 熊川一番地」はどうだろう。あっさりと軽快な純米酒で冷酒でもお燗でもいける。滑らかな辛口で後味には米の旨味が感じられる。
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2位 金婚正宗/豊島屋酒造(東村山市)
冷酒もいいけどお燗もいい。ヌル燗のおいしさを知ってもらいたい。
十右衛門さん、ある夜、夢枕にお雛様がたち「白酒」の造り方を伝授してくれた。これをもとに白酒を製造販売したら売れる売れる。その繁盛ぶりは天保七年(1836年)に描かれた「江戸名所図会」(長谷川雪旦)をはじめ「絵本江戸土産」「狂歌江都名所図会」(安藤広重)に克明に残されている。
自ら酒造りを行ったのは明治時代12代当主のころから。ブランド名は「金婚正宗」。そのころの風情を感じたければ「鬼平犯科帳」(池波正太郎)や「鎌倉河岸捕物控」(佐伯泰英)に詳しい。また、この歴史ある清酒は、明治神宮、神田明神、日枝神社に御神酒として納められている。さすが東京の酒である。
お試し銘柄は「純米無濾過原酒 十右衛門」。原酒らしいしっかり骨太の味わいがあり落ち着いた旨味がある。同じ銘柄で「生」もあり、こちらはよりフレッシュで華やかな印象。
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