メキシコのベネチア? 世界遺産ソチミルコで船遊び
メキシコシティの中心部から南へ車で1時間ほどのソチミルコ(Xochimilco)地区は、先住民族ナワトルの言葉で、「花であふれる場所」という意味をもち、先スペイン期にメキシコシティがテスココ湖に浮かぶ水上都市、テノチティトランだったころの名残。現在でも人口の浮き島=チナンパの上に村落があり、花の栽培がされ、迷路のような水路を行き来しながら暮らす人々がいる地域です。メキシコシティの歴史中心地区(セントロ・イストリコ)とともに1987年に世界文化遺産に登録された、メキシコを代表する観光地のひとつである、ソチミルコ名物の船遊びのしかたを紹介します。こちらもあわせてどうぞ>>>メキシコシティの観光名所
遊覧船トラヒネラとそのルート
派手な原色づかいのトラヒネラが圧巻な船着き場
遊覧には、15メキシコペソで乗れる乗り合いモーターボート=ランチャ・コレクティバ(Lancha Colectiva)もありますが、風情にかけるので、木の舟を、船頭が長い木の棒のみで漕いでいくトラヒネラがおすすめ。値段は15~20人乗りのトラヒネラが大きさに関係なく1時間350ペソ(ソチミルコ政府規定料金)で貸し切りできます。
周遊コースは2種類あり、にぎやかな観光ルート=ルタ・トゥリスティカ(Ruta Turistica)をまわるものと、あまり観光地化されていない自然保護区を行くエコロジー・ルート=ルタ・エコロヒカ(Ruta Ecologica)をまわるものがあります。ちなみにエコロジー・ルートのほうには、世界中のオカルトマニアからよく知られる、古い人形で埋め尽くされた異様な浮き島、「人形の島(イスラ・デ・ムニェカ)」があります。
エコロジー・ルートは所要5時間かかるので、観光客がよく利用するのは、1時間から楽しめる観光ルート。だいたい2~3時間利用するグループが多いようです。ルート上には、ソチミルコ原産のウーパールーパー(Ajolote=アホローテ)が見られる小さな水族館や、花市場がありますが、実はこれといって派手な見どころはありません。
トラヒネラの醍醐味は、船でみんなで和やかにビールを飲みながら、のんびりと風景を楽しむことです。マリアッチ(1曲100メキシコペソ)やマリンバ(1曲30メキシコペソ)などの伝統音楽の楽団を乗せた船や、ビールや食事、土産物や、花を売る船もあって、観光客たちが乗ったトラヒネラまで近づき、営業にやってきます。船越しにコミュニケーションを取るのはなかなか面白い体験です。
このトラヒネラは、観光客だけではなく、メキシコ大衆の憩いの場でもあります。休日には家族連れがお弁当を持ち込んでの団らんパーティや、若者たちが週末の夜に音楽プレイヤーやお酒を持ち込んで船上パーティをして楽しんでいます。
トラヒネラの乗船料や、楽団の曲リクエスト料金、食事料金などソチミルコ行政地区政府規定の料金がリスト表示されています>>>ソチミルコ行政地区政府ホームページ
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