絵本/絵本好きを育てる「ひざ読」のすすめ

ひざ読の前に知っておきたい「おはなし会」の弱点(2ページ目)

「この本読んで!」と訴える子に「おはなし会で読んでもらいなさい」と応えるお母さんを多く見かけるようになりました。もしもお母さんが、絵本はおはなし会で読んでもらえばよいと思っているなら、それは大きな間違いです!

執筆者:大橋 悦子

家庭での読み聞かせに優る読み聞かせはありません!

読み聞かせをする女の子のイメージ画像

今度は私が読んであげる……そんな楽しさも家庭ならではと言えますね

さてここで、絵本の醍醐味がコミュニケーションにあるという立場から、おはなし会について考えてみましょう。多くのおはなし会は、子どもたちに読んでもらいたい良書が次々に登場し、時には家では絶対読まないような思いがけない作品もあって楽しいものです。読み手も練習の成果を発揮して、とても上手に読んでくれますから、 子どもだけでなく大人もおはなし会を楽しみにしている方がたくさんいらっしゃいます。

おはなし会は子どもが絵本と仲良くなる絶好の機会ですから、大いに利用していただきたいのですが、コミュニケーションという点では、1人の読み手が複数の聞き手に絵本を読んでいるわけですから、読み手と聞き手の間で、細やかな感情や言葉のやりとりを行うことは難しいのです。そのため、おはなし会で絵本を読んでもらっても、その絵本の醍醐味を100%味わうことはできないということを知っていただきたいと思います。

さらに、おはなし会はイベントとしての要素を捨て去ることができません。食事に例えるなら、レストランでの外食のようなものです。それがどれほどおいしい食事であったとしても、子どもたちの健康と成長の礎になるのは、家庭での毎日の食事です。外食の楽しみは、食べものへの興味・関心を高めますが、栄養面でも愛情面でも家庭での食事にはかないません。

これは、おはなし会と家庭での読み聞かせの関係に似ています。おはなし会はあくまでもお楽しみの1つ。絵本の魅力を深いところまで伝えることができるのは、家庭での読み聞かせなのです。ガイドは、おはなし会がどれほど楽しいものであっても、毎日の家庭での読み聞かせ以上のものはないと考えています。


お子さんを絵本好きに育てる「ひざ読」のすすめ 記事一覧
  1. 「ひざ読」で「絵本大好き!」への1歩をふみだそう
  2. ひざ読の前に知っておきたい「おはなし会」の弱点
  3. 「ひざ読」成功の鍵は絵本を楽しむ親の姿にあり?!
  4. 子どもを絵本に誘う魔法の言葉「お膝で読もうね」
  5. もしもお子さんが「ひざ読」を嫌がったら……
  6. こんなときどうする? ひざ読FAQ
  7. 「ひざ読」から絵本の世界を拡げよう


 

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