就活の悩みになりやすい「やりたい仕事」の発見
社会経験のない学生が自分のやりたい職業を見つけることはそう簡単なことではない
「就活をしているのですが、将来やりたいと思う仕事がなかなか見つからず、モチベーションが上がりません」。
そんな悩みはきっと多くの就活生だけでなく、会社で既に働いている社会人も持っているのではないだろうか。自分にとって本当に打ち込める仕事と巡り合えること、それを通じて自分を成長させていくことは充実した社会人生活を送る上でとても大切なことだと思うし、就活をする上でも「やりたい仕事」や「入りたいと思える会社」があるかないかでは、活動のモチベーションも違ってくるだろう。
さて、そんな重要なテーマに対しての私の考えは、
「人生をかけてやっていきたい仕事なんてそんな簡単に見つかるもんじゃない」
ということだ。
大学生の就職活動のガイドをやっておきながら、まったくガイドになってないと自分でも思うのだが、実際のところ本音で言わせてもらうとこの通りだ。
ましてや社会に出ていない大学生の立場で、世の中にどんな会社や仕事があって、どんな役割を果たしてきているかを知らない状態で、自分が今まで知っている情報の中だけで「やりたい仕事」を見つけるということ自体に最も無理がある。
これは若者が悪い訳ではなく、今の日本の教育自体が20代前半の若者に自分で社会に出てからやりたいことを見つけるように行われていないだけだ。数学や国語の問題の解き方は学校や塾で習っても、「自分のやりたい仕事の見つけ方」なんて誰も教えてくれなかったんだから。
だから何を言いたいかと言うと、もし「やりたい仕事が見つからない」と悩んでいる学生や社会人がいたとしたら、「心配しなくていい、それで普通だ」と思ってほしい。
しかしこれだけキャリアの自由が与えられた現代の日本という国において(実際には職業選択の自由が与えられていなかった時代や国がある)、自分が従事する「職業」について真剣に考え模索していくことは、とても大切なことだと思う。
では、どうしていけばよいのか? 私にはやりたい仕事を見つけるための1つの考えがある。
就活で悩んだら、まずは得たい「経験」や「能力」を意識する
もし既に自分なりに「やりたい仕事」がある人は、その仕事を目指してみると良いと思う。実際にその仕事につけるかどうかは本人の努力や能力次第だが、まずは実現に向けて頑張ってみることは大切なことだ。逆にまだ「やりたい仕事」が見つかっていない人も心配する必要はない。今後色々な経験をしながら、能力を身に着けていけば、いつか「自分はこれがやりたいのかもしれない」と気付ける仕事に巡り会えるはずだ。
私自身も今は「若者の成長を支援する」という自分にとって“天職”だと思える仕事が出来ているが、これも就職活動の時に見つけてなろうと決めていた仕事ではない。
私が自分の天職に出会えたのも、小さな経験の積み重ねの結果だった
そして実は、やりたい仕事に巡り合えた時に、今までの仕事で身に着けた「能力」や「経験」が活きてくる。自分にとっては営業の仕事で身に着けた「コミュニケーション力」だったり、求人広告の制作で身に着けた「企画力」だったりする。そんな1つ1つの「能力」や「経験」が点と点でつながっていき、最後は1本の線となって自分のやりたい仕事に導いてくれるのだ。
だからこそ、やりたい仕事が見つからないからと言って、就職しようとしなかったり、自分のやりたい仕事と違うからと言ってさぼっていてはもったいない。
例え今はやりたい仕事がわからなくても、自分は将来のためにどんな「能力」を身に着けたいのか、どんな「経験」がしたいのか、それらを必死に考えそれらを実現できる仕事を探したり、今のやっている仕事から何が身に付くかを考えて必死に自分を成長させてみよう。
「やりたい仕事」は自分が「興味関心がある」ということだけでなく、やはり少しでも自分が「得意であるもの」や「経験が活きるもの」である必要がある。そうでなければ、結果その仕事が出来るようになったとしても成果を出せなければ楽しくないからだ。
そういう意味では興味ベースが中心の学生時代よりも、ある程度経験を積み、自分自身の能力や適性を仕事を通じて理解出来た社会人の方が「現実的なやりたい仕事」を発見できる可能性が高いかもしれない。
大切なのはやりたい仕事を見つけているかどうかではなく、それらが見つかったときに必要な能力や経験を身に着けようと自分磨きをすることだ。ぜひ長期的な視点を持って、自分の能力や経験を活かせるやりたい仕事を見つけていこう!
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