和菓子/和菓子関連情報

「和菓子散歩」錦糸町から東京スカイツリーまで(3ページ目)

大混雑の東京ソラマチを抜けると、あの賑わいは何だったのかと思うような静けさです。これはあまりにもったいない。そこでおすすめしたいのは、錦糸町から東京スカイツリーまでの和菓子散歩。お土産や食べ歩き、休憩にぴったりの和菓子店や甘味処に寄り道しながら東京スカイツリーを目指します。

原 亜樹子

執筆者:原 亜樹子

和菓子ガイド

意外な場所におこしの名店の工場が

大心堂雷おこし墨田工場

大心堂雷おこし墨田工場

大心堂雷おこし墨田工場

大心堂雷おこし墨田工場

北斎茶房から徒歩数分ほどの場所にある「大心堂雷おこし墨田工場」。本店は御徒町にあり、こちらは工場に併設された小さな店舗。知る人ぞ知るといった趣で、見つけた時は嬉しくなりました。

創業は明治30年(1897年)。おこしの専門店として創業しましたが、東京名物「雷おこし」だけでは満足がいかず、考えられる最高の素材「米は新潟(現在は産地を限定せず上質の国内産を使用)、落花生は千葉県の八街、和紙(包装紙)は越前」を用いて、職人さんたちと試行錯誤の末誕生したのが同店の代名詞、特選おこし「古代」です。
古代

「古代」(簡易包装2枚入210円、シルバー缶16枚入1575円ほか)

越前和紙の美しい包装にはじまり、4つに切れ目が入った白砂糖と黒砂糖のおこしは品があり、お茶席にも向く佇まい。歯に付かず、芳ばしくさくりとした食感と後に残らないほどよい甘さ。とっておきの手土産にもおすすめです。

美味しさの決め手ともいうべき落花生は吟味した千葉県の八街産。生産量が限られ、仕入れられる量が決まっているため「古代」の量産は出来ず、それが目の行き届いたおこし作りに繋がっているようです。

おこしの原型は遣唐使が伝えた唐菓子の1つとされ、神前のお供え物にも使われてきました。日本古来の伝統の味を、より良きものとして次の世代へ伝えていきたいと名付けられた「古代」。

お遣い物にすると、雷おこしの庶民派のイメージと異なるためか驚かれることもしばしばで、ちょっと得意な気持ちにもなるのです。

<参考>
『事典和菓子の世界』中山圭子著、岩波書店

<店舗情報>
■ 「大心堂雷おこし
工場店舗・所在地:東京都墨田区亀沢4-23-11 
JR錦糸町駅北口より徒歩約10分
電話:03-3624-8961
営業時間:8:30~17:00
定休日:日曜・祝祭日

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