己の肉体を酷使し生身で勝負!
■作品名『パピヨン』(73)
■監督
フランクリン・J・シャフナー
■主演
スティーブ・マックィーン、ダスティン・ホフマン
■DVD/Blu-ray発売元
キングレコード
無実の罪で悪魔島という孤島に投獄された男が不屈の精神で何度も脱獄を企てます。
演じるはスティーブ・マックィーン。
『大脱走』(63)の独房王ヒルツ役もそうでしたが、自由を求めて束縛から脱出するという役柄は彼の十八番です。
この映画でもマックィーンは己の肉体を酷使し生身で勝負をしています。
こうした俳優の存在感だけで見せ切る映画というのが今はほとんどなくなりましたね。
この映画の見どころの一つはマックィーンとダスティン・ホフマンという、全くタイプが異なる二大スターの共演です。
彼らが示す男の友情のドラマに胸が熱くなります。
またこの映画の強みは、原作者のアンリ・シャリエールとマックィーンの不幸な生い立ち、監督のフランクリン・J・シャフナーの戦争体験、脚本のダルトン・トランボの赤狩りへの怒りなど、それぞれが背負うバックグラウンドが、主人公パピヨンの姿に反映されているところです。
ハードなドラマの中に切なく響くジェリー・ゴールドスミスの音楽も聴きものです。