「取引事例比較法」の算出方法

次に「取引事例比較法」を活用した場合の査定方法です。「取引事例比較法」では、周辺の類似している物件の成約取引事例や売出事例を参考にします。成約取引事例はレインズ(不動産流通機構)から調べることができます。レインズとは宅地建物取引業者である不動産会社がオンラインで情報を取得することができる情報システムのことです。

築年数3年~5年と浅い一戸建ての場合は、レインズ上での取引データの他に新築一戸建ての売出事例や成約事例も同時に調べます。新築一戸建てで同様の土地や建物設備の物件が売り出されている場合、中古一戸建てが新築よりも高く売れることは難しいです。そのため、新築価格を上回る査定価格は現実的ではなく、査定価格算出の参考となります。

一戸建ての売出チラシ

一戸建ての売出チラシ

築年数が20年以上経過しているような一戸建ての場合は、積算法での建物価格はゼロに近くなっています。しかし、実際に利用できる一戸建ても多く、価値がゼロになるわけではありません。この場合は、取引事例の価格が参考になります。

このように、「取引事例比較法」でも一戸建ての特性に応じて比較する対象を変えて査定を行います。

一戸建て査定をするときの売り手の心得

「積算法」では土地の状況によって土地価格が大幅に下がることがあります。また、築年数が経過した建物の価格がゼロになってしますこともあります。そのため、「積算法」では実際の取引にはそぐわない査定価格になることもあるため、「積算法」だけでの査定で判断することはよくありません。

逆に「取引事例比較法」は事例を確認するだけなので簡単かつ実際の取引に近い価格になることもありますが、一戸建ての個別性や多様性を反映することはできないため、高すぎる査定価格になることもあります。

このように一戸建ての査定方法は簡単ではなく、売り手が「このくらいで売れるだろう」と考えるのは難しいのです。さらに、正確な査定価格を知るためには、プロが行った机上査定価格が出ただけで満足するのではなく、土地や建物の資料をそろえて、実際の土地や建物を見せる訪問査定を活用して欲しいと思います。

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