記憶術/記憶術の基本

記憶術基本講座2――空間記憶術

基本講座の1回目ではすべての記憶術の大黒柱、「イメージ」について取り上げました。2回目の今回は「イメージ」と並ぶ記憶術の柱、「空間」を活用する記憶を解説します。「空間」を活用することで、イメージが順序立てられ、大量の情報も一気に覚えやすく、思い出しやすくなります。もう狭い「頭」の中に情報を詰め込む必要はありません。覚えることはまるで散歩や旅をするように楽しいものに変わっていくでしょう。

宇都出 雅巳

執筆者:宇都出 雅巳

コーチング・マネジメントガイド

変換したイメージを整理するには?

人が歩いている風景

いつも歩いている道が記憶の場所となる

基本講座の1回目「イメージ記憶術」で、私たちがいかに普段からイメージを使って考え、記憶しているのか、そして、勉強でも積極的にイメージを活用することでいかに記憶しやすくなるのかを解説しました。

しかし、この「イメージ」ですが、ただイメージ変換しても、イメージがどんどん増えるばかりで整理がつきません。ごちゃごちゃになって、記憶するどころか混乱するのが関の山です。

そうならないよう、このイメージの整理に使うのが「空間」です。具体的にはあなたがすでによく知っている場所です。

変換したイメージを空間に置いていくことで、覚えたいイメージを混乱することなく整理できるのです。

このイメージを置いていく空間ですが、これを一から記憶したり、記憶するのが大変であれば、本末転倒になります。

しかし、人間はこの空間に関する記憶が得意なのです。しかも、日々見慣れていれば、かなりはっきりと記憶しています。この「空間記憶」を利用することで、変換したイメージを混乱することなく整理した状態で記憶できるのです。

あなたはもう「空間」を記憶している

では具体的にどれぐらいあなたが「空間記憶」しているか、確認してみましょう。

たとえば、自宅から最寄りの駅やバス停など、よく歩く道のりを思い浮かべてみてください。

まずは、あなたの自宅の玄関前。これは楽に思い浮かべられますよね。

そこから歩き出して、次に目につく建物や看板は何ですか? 明確ではっきりしたイメージが浮かばなくても構いません。ふっと浮かんだ建物や看板などを確認してください。

さらに次に見えるものは何でしょう? 先ほどと同じように、ふっと浮かんだ建物や看板など場所・目印を確認します。

もちろん、すべての建物や看板、目印を記憶しているわけではありません。それをきちんと思い出せる必要もありません。あなたが思い出せるものだけで結構です。

こうやって確認していくと、楽に思い出せる場所や目印がかなりあることがわかるでしょう。

そして、今、楽に思い出せた場所・目印に、あなたが覚えたイメージを順番に置いていけばいいのです。

たとえば、次の項目を記憶してみましょう。これはある民法テキストの目次の最初です。

第1編:民法総則
第1章:民法序論
第2章:人
第1節:権利能力
第2節:意思能力・行為能力
第3節:住所
第4節:不在者
第5節:失踪宣告
第6節:同時死亡の推定
第3章:物

意味もわからない言葉が並んでいると思いますが、イメージと空間を使えば、あっという間に記憶できます。

ラクラク覚えられるイメージ・空間記憶術の具体例は次ページで。

 

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