プジョー/プジョー

誰もが楽しめる、“現代のホットハッチ”208GTi(2ページ目)

名車205GTiのどこかエキセントリックでスリルのある過激な楽しさ、ではなく“非常にモダンなスポーツハッチ”として登場した208GTi。運転していて無条件に楽しいと思えるホットハッチに仕上がっています。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

ノーマルとは魂のこめ方が違う

プジョー208GTi

Cピラーには専用エンブレムを装着。一部をダークグレーで塗装した17インチホイールと、レッドのブレーキキャリパーを備えた

要するにだ。過去のGTi的マニアさはスッカリと影を潜めてしまっていて、それがつまりは進化したGTiなのだよ、とプジョーは言いたいわけだ。もし、205GTiのあとを受けて、歴代200系モデルがGTiを進化させていれば、今、こうなっていたはず。おそらく、そう言うアピールなのだと思う。

だから、ノーマルの208モデルに対する造りこみ=魂のこめ方の違いが、歴然とその乗り味に現れていた。ボクはノーマルの208、特にMTモデルに何となくアンバランスで扱いづらい印象を抱いていたが、GTiにはそれがまったくと言っていいほどない。
プジョー208GTi

エンジンは直噴や可変バルブコントロール、ツインスクロールターボなどを備え、歴代200シリーズ最高のパフォーマンスを誇る。6MTのみが用意された

プジョー208GTi

最高出力200ps/最大トルク275Nmを発生する1.6リッターターボを搭載

足の動きはあくまでもしなやかで、3ペダルの踏み込みフィールも問題なく、エンジンは力強く回りきる。回して楽しむエンジンじゃない(6000回転チョットしか回らない)ことが欠点と言えば欠点だけれども、総合点では今、望みうる最高のスポーツハッチの一台だと思った。

そのことは、同時に用意されていたXYと乗り比べてみれば歴然としている。こちらも3ドアの3ペダルなのだけれども、ペダルの踏力やパワートレインのフィール、動きだしにおけるシャシーの緻密さ、ステア時の質感、どれをとってもはっきりとXYが劣っていた。全く違うクルマなんか?  と思ったほどだ。

特に、シャシーのしなやかさには、参った。荒れたアスファルト路面での乗り心地から、ワインディングロードを攻込んだときの懐の深さまで、超一級品である。
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