髄膜炎菌とは

髄膜炎菌とは、淋菌と同じ種類の双球菌で、主に髄膜炎の原因となる細菌です。

少し専門的な解説になりますが、「グラム染色」という細菌類を染色して行う細菌の分類法では、色がつかない「グラム陰性」で、2つがセットになっている「双球菌」です。細菌の周りにある染色できない部分を夾膜(きょうまく)と言いますが、この夾膜には13の種類があり、A, B, C, D, X, Y, Z, E, W-135, H, I, K, Lというように分類されています。この分類は重要で、人に病気を起こす菌は、A、B、C、Y、W-135がほとんどです。これらの菌は人から人に感染します。

従って、髄膜炎菌による髄膜炎の発症があれば、周りに感染者、もしくは菌を持っているだけで発症していない保菌者がいると考えられます。これらの菌は気道上皮粘膜から血液に侵入し、菌血症を起こしてから、髄膜、脳に侵入して髄膜炎を起こします。髄膜炎になると、高熱、嘔吐、頭痛、意識障害、けいれんなどの症状が見られます。

世界では、髄膜炎菌による髄膜炎は年間50万例発生し、5万人が亡くなっています。生後6ヶ月~2歳までの乳幼児、16~18歳の青年に多いと言われており、寮や軍事施設などの集団生活での流行が報告されています。日本では戦後年間4000例発生していましたが、現在は年間10~20例です。とはいえ、減少した原因は不明ですので、いつ流行するかは判りません。日頃の備えが必要です。
髄膜炎の原因・症状・検査
髄膜炎の治療・合併症・予防法

髄膜炎菌による髄膜炎の予防

髄膜炎

髄膜炎菌が流行している国です(WHOより引用)

海外では既にワクチンが開発され、接種されています。髄膜炎菌による髄膜炎は、中央アフリカに「髄膜炎ベルト」と呼ばれる流行地域があります。スーダン、チャド、ナイジェリア、ニジェールなどがこの地域に含まれます。そのため、中央アフリカを旅行、訪問する場合には、髄膜炎菌ワクチン接種が推奨されており、国によっては接種していないと入国が認められてません。

髄膜炎菌ワクチンには大きく3種類あります。すべて、菌の成分を使った不活化ワクチンです。

■莢膜多糖体ワクチン
  • A/C 2価ワクチン
  • A/C /W-135 3価ワクチン
  • A/C/Y/W-135 4価ワクチン
0.5mlを1回皮下接種
免疫力である抗体が上昇する率は接種後7-10日後で89-99%で、3年間持続すると言われています。

■莢膜多糖体結合型ワクチン
小児を主な接種対象としているワクチンです。
  • C群 1価結合型ワクチン、
  • A+C+Y+W-135群 4価結合型ワクチン
  • A群1価結合型ワクチン
0.5mlを1回筋肉注射

■外膜タンパク質ワクチン
B群1価ワクチン
乳幼児を含む全年齢を対象として、0.5mlを2~4回接種

髄膜炎菌ワクチンの副作用

髄膜炎菌ワクチンの副作用は一般的なワクチンに多い副作用と同等で、接種部位の痛み、赤み、腫れ、しこり、全身症状としては、発熱、だるさ、頭痛、吐き気、下痢などの症状が見られます。ワクチンのバイアルに天然ゴムが使われているので、ラテックスアレルギーのある人には注意が必要です。妊娠に対する影響、授乳への影響は検討されていませんが、ワクチンの必要性が優先される場合には接種が検討されます。
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