フィンランドの目まぐるしい攻防戦の歴史舞台、スオメンリンナ島

スオメンリンナ島

スオメンリンナ島のあちこちには、軍事要塞として機能していた頃の複雑な石壁が残っている

マーケット広場が賑わうことで有名なヘルシンキのエテラ港から、市営のフェリーボートで約15分と気軽に行き来ができる、世界文化遺産に指定された群島、スオメンリンナ島(Suomenlinna)。

墓

スオメンリンナの開拓者、エーレンスヴァルドの墓

一続きになったこの島々は、長らくフィンランドを統治し、ロシアとバルト海の覇権争いをしていたスウェーデンが、1700年代なかばに軍事要塞として開拓しました。島内には、その功労者であるスウェーデンの軍人、エーレンスヴァルド(Augustin Ehrensvärd/1710-1772)の立派な墓標が残っています。

1800年代に入ると、ロシアが瞬く間にフィンランド領を制圧しへルシンキに首都を移したことから、これらの要塞はすべてロシアの軍事拠点となり、ますます強化されていきます。けれど1917年にフィンランドが国家独立を果たすと、翌年には島の名前が「フィンランドの城」を意味するスオメンリンナに改称され、名実ともにフィンランドの領地に落ち着いたのでした。

 

住宅

今日のスオメンリンナには住宅も多く、ピクニック客もよく見かける

世界遺産に登録された今日では、毎日多くの観光客が上陸してくるだけでなく、とりわけ気候の良い季節になると、ヘルシンキっ子たちもピクニックや海水浴に詰めかけます。いっぽう、島自体はフィンランドの海軍基地として利用されているほか、住民も多いため学校や店などもあり、小さな街としての機能も備わっています。住民の大事な足でもある市営フェリーは、早朝から深夜まで通常20分間隔で運行しているので、観光客も終日ゆっくりと島散策を満喫することができますね。

 

■スオメンリンナ行きの市営フェリー時刻表サイト
※同じくマーケット前の港からは、市営以外のフェリーも発着しているので注意。市営フェリーの発着場は、マーケット内のウスペンスキー寺院側寄りにあるHSL(ヘルシンキおよび首都圏交通)の表示が出た場所です。市営フェリーの場合、12時時間以内に往復することが前提の往復チケットが、発着所やキオスク、券売機などで5ユーロ(2016年4月現在)で販売されているほか、ヘルシンキ市内の交通乗り放題チケットも有効です。詳しくは過去記事「ヘルシンキ市内の移動・交通手段」を参照してください。

 

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