記憶術のほとんどは「イメージ」記憶術
何千年もの昔から存在する記憶術。「りんご」という言葉から浮かぶイメージは?
なぜ、そこまでイメージを活用した記憶術・記憶法が多いのでしょう?
それは、われわれ人間はそもそもイメージを使って記憶しているからです。そうです。このイメージ記憶術。実はだれもが普段から使っているものなんです。
ちょっと実験してみましょう。あなたは昨日の夕食、何を食べましたか? 今、思い出そうとするとき、何かの「イメージ」が思い浮かんだでしょう。食卓の様子かもしれません、もしくはレストランに入るところからかもしれません。何かイメージを思い出し、それをたどりながら昨日の夕食を思い出したでしょう。まったくイメージを使わずに、言葉だけで思い出した人はいなかったはずです。
われわれはこのように普段からイメージで記憶しているのです。
あなたはすでにイメージ記憶術を使っている
ではなぜ、わざわざイメージ「記憶術」なのでしょう?それは、「勉強」するときには、「イメージ」よりも「言葉」が使われ、普段のイメージによる記憶を使わなくなってしまっているからです。
そこで、「言葉」を「イメージ」に変換することを意識的に行って、勉強においても、普段のイメージ記憶を使おうとするのがイメージ記憶術です。
このように、イメージ記憶術というのは、何か全く特殊なことをするというよりも、むしろ、普段、われわれが慣れ親しんでいる記憶の仕方に戻る方法なのです。
ただし、そのために必要となるのが「言葉」を「イメージ」に変換すること。ここが記憶術の記憶術たるゆえんであり、少し慣れが必要なところです。
しかし、恐れることはありません。先ほどからお伝えしているとおり、われわれは普段から「イメージ」を使って記憶しているからです。イメージに変換するといっても、何か全く新しいことをするわけではないのです。
たとえば、「りんご」という言葉。ここから、なんらかのイメージを思い浮かべることはすぐできるでしょう。
別に、そこにりんごそのものがあるように明確なイメージを思い浮かべることが必要なわけではありません。あなたが、「昨日、りんご食べたなあ」と思い出すときのイメージで構いません。これならすぐにできるでしょう。
そうです。言葉をイメージに変換することも、われわれは普段から行なっているのです。
勉強するときは、このイメージ変換・イメージ記憶はどうなるのか?