イメージ変換が止まる「勉強」の世界

最高裁の建物

「法律」という言葉から浮かぶイメージは?(写真は米国最高裁の建物)

普段からわれわれが行なっているイメージによる記憶。そして言葉からイメージへの変換。

しかし、これらを使わなくなってしまうのが「勉強」するときです。学校の教科書を読んだり、試験勉強のために参考書や問題集を読んだりするときです。

おそらくあなたも、「イメージ」なんてものは使わず、そこに書かれている「言葉」自体と格闘しているでしょう。

なぜ、普段のように言葉をイメージに変換したり、イメージを使って記憶しないのでしょう?

その理由は、勉強するときに扱う「言葉」が、われわれが実際に体験していないためイメージしづらい「言葉」だったり、そもそもイメージしづらい(具体的でなく)抽象的な「言葉」だからです。

そして、実は勉強すること、理解することというのは、こういった「言葉」に自分なりの「イメージ」を結びつけていくことなのです。

あなたが教科書やテキストをスラスラ読めるようになったり、理解できているときには、そこに書かれている言葉をすぐに自分なりのイメージに変換しています。そして、内容も思い出しやすくなっているでしょう。

しかし、そこまでいくには時間がかかります。

そこを強引に、理解はすっ飛ばして、とりあえずイメージに変換して記憶してしまおうというのが、イメージ記憶術なのです。

あなたが使っているイメージ記憶の世界にひきずりこむ

言葉をイメージに変換してしまえば、普段使っているイメージ記憶の世界にひきずりこめるわけですから、大事なのはとにかく、イメージに変換してしまうことです。

そのときに、その言葉の正しい意味と変換したイメージとの整合性を考えていたら始まりません。

たとえば、「法律」という言葉。これを「法律とは?」なんて考えて、その正しい意味を表すイメージを思い浮かべようとしても、それはなかなか大変です。それよりも、「法律」という言葉からとにかく浮かぶイメージをとらえて、変換してしまうのです。

あなたであれば、「法律」からどんなイメージが思い浮かびますか?

裁判所の法廷? 法律のテキスト? 六法全書? 法律を審議している国会? 近くの弁護士事務所? テレビの「行列ができる……」に出てくる弁護士?

「思い浮かばない」という人もいるかもしれませんが、よくよく自己観察してみると、なんらかのイメージが思い浮かんでいるはずです。

どんなイメージでも構いません。

イメージ記憶術ではその浮かんだイメージに言葉を置き換えて、記憶していくのです。

確かにこれは言葉の正しい意味とか、理解をすっ飛ばしていますから、これに抵抗が起きる人もいるでしょう。特に真面目な人ほどその抵抗はきついと思います。

だからこそ、イメージ記憶術ができるようになる極意は、とにかく言葉をイメージに変換して、普段あなたが使っているイメージ記憶の世界にひきずりこむことです。そうすれば、楽に記憶できるようになります。

もちろん、言葉の正しい意味をとらえたり、理解することは必要です。それは、言葉を記憶したあとに理解していけばいいのです。そして、言葉を記憶できれば、理解する作業自体もとても楽になり、効率的になるのです。

このようにイメージ記憶術は特殊な方法に見えて、実はあなたが普段使っている記憶のやり方を、勉強でも活用する方法なのです。

次回は、記憶術のもう一つの基本である「空間記憶」を解説していきます。

お楽しみに!


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。