世界最優秀フロマジェコンクール2013で、日本代表の村瀬美幸さんが初代優勝者に!
3日間のモンディアル・デュ・フロマージュのメインイベントとして開催されたのは、「世界最優秀フロマジェコンクール」。その第1回目の2013年大会で、日本から出場した村瀬美幸さんが優勝という快挙を成し遂げました。
※「フロマジェ」とは、チーズ専門店で働くスペシャリスト(職人)のこと。
大会では、フランス、ベルギー、アメリカ、イタリア、オーストラリア、日本といった世界各国から10名の選手が予選を通過し、現地トゥールでの決勝に進出。決勝が行われた6月2日は、午前中に筆記、秤を使わず所定の重さにチーズをカットするテスト、ブラインドテイスティング、スピーチの4課題が、そして午後からは「アーティスティックテスト」として、さらに以下5つのプラトー制作課題が出題されました。
- 指定のチーズ5種の盛り合わせプレート制作
- 指定のチーズ「オッソー・イラティ」と食材との味のコンビネーション提案するプレート制作
- 指定のチーズ「ブリア・サヴァラン・フレ」と生鮮食料品を使ったチーズの仕込み、盛り付け
- 指定のチーズ50種、約20kgのチーズを自由に使った「子どものためのチーズプラトー」制作
- 用意された3種のチーズを使ったスカルプチャー(彫刻・彫像)の制作及びディスプレイ
どの課題も、限られた時間内で美しく表現するという、五感と頭脳、体力をフルに使うものばかり。課題ルールをきちんと理解し、意図を正確に汲み取り、その場の状況に合わせて臨機応変に対応することも求められます。その難易度の高いアーティスティックテストで、村瀬さんはいずれも高い評価を得、見事優勝へ結びつけました。
制作中の村瀬さん Copyright:LeMondialduFromage-2013
特に「子どものためのチーズプラトー」は、指定の80cm8cm四方に立体的に盛り付けられ、圧巻。
盛り付けられたプラトーの一部 Copyright:LeMondialduFromage-2013
“The Cheese Garden”と名付けられたこのプラトー作りで、村瀬さんは360°どこから見ても美しい事、子どものためならではの安全性と栄養面、そして楽しさに気を配ったそうです。なんと、メリーゴーランドをイメージした円盤状の部分は回り、ライトが光り、チーズが浮かぶ池があったり、チーズの積み木や、野菜や果物でできた羊やねずみが添えられていたりと、そこかしこに楽しい演出がたくさん!
今後も2年ごとに開催されるというこのコンクール、これからの日本選手の活躍も期待されますね。
なお、現在村瀬さんは東京の銀座にてチーズを楽しく学ぶ空間「The Cheese Room Academie」を主宰。世界一の技と知識と美的センスにご興味のある方は、教室のHPをご覧ください。
■ザ・チーズルーム・アカデミー
東京都中央区銀座2-12-10 藤ビル2F
Tel 03-6264-1540
<村瀬美幸さんプロフィール>
空間設計デザインを手掛ける有限会社アトリエ春間(haru・no・design*)の新規事業のチーズを楽しく学ぶ空間「ザ・チーズルーム」を主宰。初心者からチーズのプロ養成、およびプロ向けのチーズの講座を各種開催している。
上智短大卒業後、全日本空輸株式会社国際線客室乗務員時代にソムリエに。その後田崎真也ワインサロンでワインやチーズ講師として長年活躍し、同支配人も務めた。前職はチーズ専門店フェルミエ店長。2007年国際カゼウスアワード日本代表として4位、同大会2009年には世界第2位の成績も残すが長年世界一を目指してトレーニングを積んでいたところ、この度のあらたな「世界最優秀フロマジェコンクール」にエントリーし予選を経て、決勝進出を果たし優勝し世界一に。
※取材協力:有限会社アトリエ春間